my shoes vol.06

沼能 章人のブーツ

Illustration : Tact Sato

People / 2018.11.05

シューズを見れば、人となりがわかる。
歩き方だけじゃなく、日々の過ごし方や考え方によって、
足元のスタイルは無限に変化する。
“My shoes is my life”
そう、靴は、その人の生き方そのものだ。





自分のカラダに合う1足。
今日履いているシューズは、イヴ・サンローランのブーツです。5年程前に、ふらっと立ち寄ったショップで目に留まったのが出会いでした。
ヒールが高いデザインなので、フェミニンな印象に、はじめは少し抵抗感を感じました。でも、実際に履いて鏡に写る自分の姿を見た時、脚がすごくスマートに見えたんです。いつもの見え方とは明らかに違う。それまでシューズと洋服の合わせ方を気にすることはありましたが、自分の体とシューズの合わせ方について考えたことはほとんどありませんでした。その時はじめて、靴のバランス次第で、いつもと違う自分を演出することができることを理解できたんです。

自然体の自分になれるシューズ。
女性的な見た目のデザインが印象的なのですが、実は「履きやすさ」も惹かれたポイントのひとつです。“走れるブーツ”をコンセプトに作られているため、安定感、フィット感があり、長時間履いていても疲れない。美容師というハードな仕事には、最適なシューズなんです。今ではサロンワークだけでなくプライベートでもほぼこのブーツを履いています。どこに行くのも一緒で、苦労も楽しさもすべてを共にしてきた相棒ですね。ただ、5年以上履いているので、さすがに傷や汚れ、ソールの痛みが目立つようになってきました。でも、そんな経年変化を見ていくことも何よりの楽しみなんですよ。ひとつひとつの傷や汚れが僕自身の生き方そのもので、このシューズを履く度に自然体の自分でいることができる。流行をだけを追うことでは得られないファッションの楽しみですね。

自分のスタイルを貫き通すこと。
ファッションに興味を持ちはじめたのは、高校生ぐらいのとき。RAMONSやThe Strokesなどロックミュージシャンのスタイルに影響を受けていました。彼らは、とてもスタイリッシュな中に、独特のゆるさがある。それが格好よくてタイトなパンツに、足元はレザーシューズを合わせたモノトーンなファッションをよくしていましたね。当時は、周りにも同じ趣味を持ち、共通のスタイルを好む仲間が多かったのですが、年齢が上がっていくにつれ、それぞれ好みやスタイルが変わっていきました。でも、僕自身はほとんど変わってないですね。自分らしいスタイルを貫き通していることで、共通の好みを持ったお客様と話が盛り上がることがあり、自分に会いにサロンに来店してくださるお客様も増えました。好きなスタイルを貫き通すこと
は、人との出会いにつながるのだと実感しています。

沼能章人
1985年 東京都出身。
美容専門学校卒業後、都内数店舗を経て2010年BROSS TOKYO入社。
現在サロンワークの傍ら、カタログ、広告のヘアメイク、ヘアサロン内のギャラリー"The Container"の運営に携わりながら活動中。


アーカイブはこちら↓
・my shoes vol.05 -白石舞のスニーカーサンダル-
・my shoes vol.04 -山田理喜のレザーシューズ-
・my shoes vol.03 -秋月庸佑の黒いスニーカー-
・my shoes vol.02 -津野祐可のショートブーツ-
・my shoes vol.01 -IPPEI ISHIDAのスニーカー-

Tag

Writer