Where you are? 「いま、どこにいる?」
Where you are?
Contributed by Ryo Sudo
People / 2018.12.12
いま、どこにいる?
自分の居場所について、あれこれ考える。
たいていの場合、目の前の世界との距離感に、
ぼんやりと居心地の悪さを感じている。
大切にしていた何かが
あからさまに不機嫌な顔で立ち去っていったこととか。
思いがけず、風景の片隅の中にあった
自分の不穏な思考に気づいてしまったこととか。
真実は痛いほどに切実で、
どうしたって目を背けてしまいたくなる。
けれど、誰もがずっと後になって、
あの日の小さなできごとに、恋い焦がれる。
それも、はっとするほど強く。
考えて見たら、あたりまえのこと。
だって、どうしたってその場所には戻れない。
それなら、とにかく「いま」を素直に感じて、
できるだけ好きなように、前に進む。
情熱の総量はきっと、決まっている。
けれど、使い切るかどうかは自分次第だ。
食べたごはんがたまたまおいしかったことと、
注意深く自分で選んだごはんがおいしかったこと。
その両者には、驚くほど大きな違いがある。
あってもなくてもほとんど変わらないような
小さなできごとかもしれなくても、
ぜんぶ、間違いなく、必要なプロセスなんだ。
Where you are?
いま、どこにいる?
結局のところ、誰もが自分に
一番ふさわしい場所に、いま、立っている。
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Ryo Sudo
anna magazine編集長。制作会社Mo-Greenで数多くの広告制作、企業ブランディングなどに関わる傍ら、"anna magazine"、"sukimono book"などペーパーメディアを中心に独自の視点で日常生活を再編集し続けている。