6月

えもーしょん 大人篇 #59

6月

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.09.17

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#59
「6月」
(2016~/カイト・大人)

もう、ダメ。

限界。本当に限界

頭が痛くて、割れそおおおおおお!

遂にやってきた、偏頭痛の季節。

いやぁ、もうまいった。

降参したい。

片頭痛って、現代病なのでしょうか?

どうして、治らないのか

だれか、教えて…。

今年の片頭痛はひどい。

これは、嫌な予感がしていただけあるぞ。

なんと、熱まで出てしまう。

6月1日

朝起きた瞬間から、凄まじい頭痛に襲われる。

薬を飲むも、いっこうに治る気配はない。

午後、なんだか不思議な痛みが体中に走る。

「まさか!?」

熱を測ると38.9℃

おおおおおおおおおおおおおおおお!

何年ぶり!?

こんなに熱が出るの!

すっごいぞ!

すぐに病院へ行くも、ドアの前の検温にもちろん引っかかり

病院はパニック状態。

ボクは、映画で見たことのあるように隔離された

完全に隔離。

本気でタイプの、看護師さんがいるこの病院

もうろうとするなか

微かに見えた、光

「大丈夫ですか?」

防護服を着て、フェイスシールドをした天使は

ボクに、優しく語りかけてくれた。

「熱を計りますね」

そう言って、体温計をボクの脇に刺し

なぜか、ボクの額を触る。

もしかして、彼女もボクに気があるの?

もしかして?!

彼女はそのまま、なにも言わずに別の部屋に戻った。

安心したのか、ボクはそのまま眠る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目が覚めると、隔離は終わっていた。

近くにいる先生は、マスクのみで

いつもとはあまり変わらない様子だった。

「お! 目が覚めた?」

「ごめんね! 怖い思いさせちゃって」

「いやーもう、完全コロナかと思ってさぁ」

と、先生

「大丈夫でしたか?」

「うん! 全然大丈夫!」

「薬飲んで、ゆっくり寝たら治るよ」

言われた通り、強めの薬をもらい

自宅で眠ると、かなり調子が良くなった。

元気を出そうと、ラーメンを食べていると

ピンポーン

ドアを開けると、待ちに待った

ラグマットのミシンがアメリカから届いた。

「やっときたー!」

コロナの影響で街も社会もストップ

ボクには、絶好のチャンスが訪れ

こんなにいい機会はこれから先あるはずない!

時間がなくてできなかったことリストを開き

第一位のラグマット製作を真先に選んだ。

それから、材料費を計算したが

ボクには、買える金額ではなく

初めて、みんなに支援をお願いしてなんとか買えたのだ。

それから、どんなに炎天下でも

気が狂ったように、作り続け

なんとか、2つ作品を作る事が出来た。

コロナのおかげで、また一つ
ボクには武器が増えた、バタバタした6月。


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