mr.MJと裏青春時代

えもーしょん 中学生篇 #32

mr.MJと裏青春時代

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.05.26

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#32 「mr.MJと裏青春時代」
(2010〜2013/カイト・中学生)


家のソファに沈み込み

ブラウン管テレビを

叩いて、手が痛い!

と、言っていた。

ある日のこと。

ケーブルテレビのチャンネルから

地上波のチャンネルまで

ポチポチと、なにも見つからない。

テレビを見ていた。

「なにも面白くない」

と、チャンネルを次から次へと

変えるボク。

すると、突然

残像のように

黒いサングラス

ロン毛の中年のおじさんが映った。

「ん!?」

タモリさん、女装してた!?

急いで、チャンネルを戻すと

どうも、タモリさんには見えない。

変な、おじさんがいた。

仏教のことや

エロ本を切り抜いて

オリジナルのスクラップの話をしているのだ。

お釈迦様のように

ボクには、彼の後ろに

眩しい、光が見え

ほわぁぁぁぁぁあん

と、手を合わせる。

中年のおじさんの姿が見えた。

なんてこった。

なんだ、このおじさんは。

ボクと、MJの出会いは

突然であった。

こうして、ボクの

裏青春時代が幕を開けたのだ。

それからというもの

毎日のように

YouTubeでMJの動画を見つけては

眺め

関連動画に出てくる

ナンシー関さんの動画を見ては

放送事故の動画を見る。

はじめての、お家デートは

ベタに映画ではなく

ボクのおすすめMJ動画を

ひたすら見せつける

という、彼女からしたら

地獄のようなお家デートだった。

案の定、次の日から

彼女との連絡は途絶え

今でも、ボクは

付き合っていると、思っているが

恐らく、それは違うだろう。

週7日、MJってわけでもない。

週6、5日、MJ

その他、ナンシー関さん

月刊ムー。

この3つが、ボクの裏青春時代だ。

月刊ムーを見ているボクを見て

いつの日か、ママは泣いていた。

呆れてでもない、悲しくてでもない

感動していたのだ。

ついに、我が息子が

こちらの世界に足を踏み入れた。

と、パパと2人で泣いていたのだ。

ゾッとしたボクは

これは、表に出していいものではないと

悟り、それ以来

裏青春時代として、過ごす事にした。

もちろん、今でも月刊ムーの大ファンだ。

MJも。

いつか、いつの日か

月刊ムーを一緒に読んでくれて

ボクのMJプレイリストを見てくれる。

素敵な、彼女に出会えたら…。

裏青春時代が輝く日が……。


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