初めての、ポップアップ。

えもーしょん 大人篇 #10

初めての、ポップアップ。

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / jan.24.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#10
「初めての、ポップアップ」
(2016~/カイト・大人)

それから、約1年経ったある日。

専門学校の面接をしてくれた人と

バイトしていた、お店で

ばったり会った。

入学式当日で

辞めたのは、開校後初の快挙らしい。

ボクは、初めてのポップアップが

ある事を伝え

「もしよかったら来てね」

と口頭で伝えた。

そう、初めてのポップアップ。

バリスタの友達が代官山の

「イベントスペースで、コーヒーを淹れるから

よかったら、隣に出店しない?」と

誘ってくれた。

何も考えず、ふたつ返事で

やる!と若気の至りで言ってしまった…

これが、ボクにとっての

デビューとは、知らずに…。

イベント3日後に控えたボクは

未だに何をすればいいのか

悩んでいた…。

もう、わけがわからなくなり

正直に「何をしたらいいのか

わからない」と相談した

すると、とりあえず

「Tシャツ作って売れ」と言われ

Tシャツを作ることに。

が、その時にはすでに

イベントは明日。

「やっばー」と焦るボク

急いで、原宿へ向かい

キャットストリートにあった

ボディ屋さんで、白Tを30ほど買った。

ボディを買って安心しきったボクは

彼女に電話して

「明日、初めてのポップアップで緊張するから今日エッチしよ」と

わけのわからない、お願いをして

家に帰ってしまった…。

これが、悪夢の始まりだった。

彼女に電話して、エッチの予約したし

何より、Tシャツ買ったし!

ラッキー!!!

「寝よー」と眠りにつく…

ピーーーンポーーーン♪

彼女のインターホンの音で目が覚める。

「はいー」と寝ぼけながら

ドアを開ける。

彼女「何!? 寝てたの?!」

ボク「え、うん。」

彼女「え、って。明日じゃないの?」

ボク「明日だよ?」

彼女「準備大丈夫なの?」

ボク「白T買ってきた!」

彼女「袋とか、プライスカードとか、ポップとかは?」

ボク「あ、」

彼女「……。まじか」

彼女「Tシャツ見せてよ」

ボク「これ」

彼女「??????」

ボク「???」

彼女「何も描いてないよ?」

ボク「!!!!!!!」

ボク「シルクスクリーンの板作るの忘れてた!やべぇ!」

彼女「終わったな」

ボク「ちょ、本当にどうしよう!」

彼女「もう、手書きしかないよ。」

ボク「30枚か……」

彼女「終わるまで、エッチなしね」

ボク「まじか…」

ボク「1回、寝る」

彼女「!!!!!!!!!?」

「ドシッ!」と彼女に蹴られ

机にTシャツを広げる…

始めるか…と油性のマジックペンを

片手に、とりあえず

今、簡単にかけるイラストを

バックに大きく描き始める…。

AM6:00

遂に、25枚目。

ボク「もう、やめようかな」

ボク「25枚あれば、余裕でしょ。30枚も売れないでしょう。」

「やめよー」とペンを置いた瞬間

ドシッ!

後ろから彼女に蹴られる…

彼女「やめない。」

ボク「はい。」

あと、5枚

4枚

3枚

2枚

1枚!!!!!!

はぁぁぁぁぁん!

エッチ〜!!!!

彼女「もう、家出る時間よ」

3つ上の、彼女

流石、やっぱりそういうところ

しっかりしてるよね………。

出来たTシャツを

ちゃんと畳んで

リュックに詰めてくれていた…

「ん〜!シェイシェイ!」

電車に揺られ仮眠をして

会場へ着くと

ボク以外の人はみんな、到着していて

準備万端…。

ボクは、もっと重大なミスに気づく。

あぁ、そうか

テーブルとかも、自分で用意するのか…。

看板とかね…。

バタバタだったが

肝心の集客は

イベント3日前に発売された

雑誌でモデルをさせて頂いたから

めちゃくちゃ、お客さんが来てくれた…

2時間で、無事Tシャツも完売して

友達に、ブースに立ってもらい

ボクは、ぐっすり眠ったのである💤


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