夏休みの作文

えもーしょん 中学生篇 #48

夏休みの作文

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / sep.02.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#48
「夏休みの作文」
(2010〜2013/カイト・中学生)

記録的な暑さを観測した7月のある日

遠くでは、セミが鳴き始めた。

ミーンミンミンミンミー。

夏の訪れを感じ、学校へ向かう通学路も

アスファルトからの熱気でしんどい。

そんな時、ププッと後ろからクラクションが鳴った。

真っ赤な車が近づいてきて

パワーウィンドウが下がる。

大きなサングラスを外したのは

ボクのビーナス、目黒先生

思わず、「ご、ご馳走様です!」

と、言ってしまったのは

あまりにもわがままな、目黒先生の魅惑なボディと

これまた、なんとも言えないほどにマッチした

お洋服からこんにちはしていたからだ。

先生の服もすっかり夏模様

薄いリネンやコットン素材にちょい透け

先生という立場上

ギリギリ許される、いやほぼアウトだが

おっさん教師たちが許しているのだろうか。

あらあら、今日は紫色のレースですか! と分かってしまうほど薄い

お洋服に身を包み

「かいと! 今日は学校来るのね!」

と、先生

「あ、う、うん!」

と、もう一歩も動けない。

後でね!と言って先生は去っていったが

ボクはまだ放心状態だ。

なるべく、なるべく

おっぱいだけは見ないようにしていたけれど

どうして?

気がつくと、勝手に視線の先にはおっぱいが

どうして?

見ないようにと、先生の目を見ただけなのに

ニヤけてしまうのは、どうして?

ダメダメ、絶対ダメ!

そんなことは、分かっているのに…。

見たいと、思っていないのに

飛び込んでくるのは先生の方からだ。

お昼

教室の教卓で1人お弁当を食べる先生。

え、ちょ、ちょっと待って

前屈みに、ご飯を食べる先生の姿に

ボクはもちろん、教室内の男子全員が注目していた。

そんな視線に気がついた先生。

にこりとこちらを見て、ウィンク。

「ズッキューーーーーーーーーーーーーーーン」

ボクらの心はすっかり打ち抜かれ

誰かが、「あっはん」と声を漏らした。

午後は、中間テスト。

みんな考えていることは、同じだ。

先生は、これから何回いや、何十回かもしれない。

消しゴムを拾うのだ。

先生、分かっているの?

どうして?

どうして、ただのテストなのに屈伸する必要があるの?

それはもう、かかってきなさい!

そういうことなの?

先生、先生が保健室の先生じゃなくてよかった。

ボクらはどれほど、素敵な青春を送れていることか。

ビバ! 青春! 輝くおっぱいに乾杯!

と、幻想は限界を迎えた。

教卓で1人お弁当を食べるのは、定年間近の目黒先生。

あぁ、お腹が痛い。

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