えもーしょん 高校生篇 #49
吹っ切れる
2013〜2016/カイト・高校生
Contributed by Kaito Fukui
People / 2020.09.10
小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!
#49
「吹っ切れる」
(2013〜2016/カイト・高校生)
自分の画力にガッカリし
いつしか、周りを羨むようにもなってしまった。
このまま、一体どうすればいいのか
目標はあるのに、自分ではどうしようも無い問題が結構ある。
ただ書き続けていればそれでいい。と
みんなは励ますけれど、卒業後の進路だって
いろいろ、考えなくてはならないことが沢山あるんだ。ボクには
まいった、まいった。
それしか出てこない。
蛭子さんのように、横尾さんな感じを出そうと
頑張ったのに、どうやっても
アメリカ感が抜けなかった。
水彩画は、最悪
塗っているうちに、全部染まって
ある意味、アートだね。
そんな風になってしまった。
「あれ、もしかして向いてない?」
と、思った日もあったけど
なんだかんだ、結局何かを描いたり作ったり
手を動かして、頭を使わないと
自分自身に、退屈してしまう。
そうすると
メンヘラ男が登場して
ダークゾーンへ、まっしぐら。
それだけは、どうしても避けたい。
とにかく、誰かに見てもらわないことには始まらない。
それにはこの小さなコミュニティから抜け出して
もっと、熱量のある街や集団に身を置かないと始まらないと
考え始めたのはちょうどこの時。
でも、人混みは疲れてしまう。
あんまり長く、ワイワイできるタイプでもないし。
どうしたらいいのよ! んもう!
いつしかボクのGoogle検索履歴には
お金持ち秘訣
宝くじ 絶対当たる方法
3億円当たったら
と、逃げたいばかりにお金のことを考えていた。
お金があったところで、目標に到達するかと言われると
そんなことは決してないのに…。
海外で認められたいボクは、いつだって
海の向こうばかり眺めていた。
たまに見る、葛飾北斎が心地よかったことを忘れて。
おでんくんの魅力にハマったことに
罪悪感を感じたこともあった。
悲しいことだが、それくらい
ボクの視線の先にいつもアメリカがあった。
アメリカに行けば、とりあえずなんとかなるとか
なにか見つかるとか
行ってみないと始まらない。
そう思っていたが、帰国してきて
活躍した友人を1人も知らないから
それは、どうかと疑い
日本でゆっくり頑張ることにした。
高校2年生の冬。
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Kaito Fukui
1997年 東京都出身 幼少期から波と戯れ、サーフィン、スケートボード、恋に青春。 あの時、あの頃の機微を紡ぐように幾層ものレイヤー重ね描き、未来を視る。 美化されたり、湾曲、誇張される記憶を優しく繊細な浮遊感で!