the UNKNOWN #16
ENTRE CAOS カオスど真ん中
Contributed by Miyu Fukada
People / 2024.03.27
#16
3/18 DAY71
月曜日。今日はどうやら祝日らしく大体の店は閉まっている。ちーん。午前中に早々とZINEの印刷をしに例の場所へ行こうと思ったのに無理だな。それとプリントを頼んでいるあのラボからも今日は返事が来ない。間に合うのか？
もうどうしようもないので昼間から家でビール。そしてメキシコの蛇口の水が合わないのか肌がカサカサなので長めのシャワーを浴びてゴシゴシ擦ることにした。
昼過ぎお腹が空いたのでブロッコリーを茹でようと思ったらパチが肉を食いに行こうというので家の近くのBBQレストランへ。帰ってきてブロッコリーに取り掛かろうと思ったら沸いたと思ったお湯が沸いてなくて火が消えていた。あれ？ ガスがなくなったぽい。キッチンでの全ての作業は中断し、これじゃ夜ご飯も作れないな。なんせ祝日なもんでガス屋も来ない。砂肝はいまだに食べてない。。
２時間昼寝した。昼寝なんてペルー以来かも。
3/19 DAY72
昨日は店が休みで作業が進まなかったので朝からZINEのオーダーへ。この間は歩いて行ったけど電車で行くことにした。とりあえずこのエリアには沢山印刷屋があって値段もまちまち。土曜に行った場所に行く前に試しに違うところでも見積もりを出してもらったら全然高い。やっぱあそこか。
印刷屋についてからテストプリントを３回してくれた。プリントがズレてるところとか、色味など指示を出しこれ！ っていうテストプリントがやっと出来て見本として渡し、オーダー。
木曜の午前中にはできるそう。本当か？ とか思いながら本当に木曜の朝できるんだよね？ と２回くらい確認し店を出た。この店には他の場所とは違って「はい あなたこのお客さん担当してね。いつ何時までよ。出来るわよね？」などと言ってタイムマネージメントをしているおばちゃんがいて、多分だけど今度は大丈夫そう。
一方大きいプリントをお願いしていたラボに、まだ連絡が来ないけどとメールをしたらネガを持っていく前に送っておいたデータを今更ダウンロードしたらしくネガをスキャンせずにそのままプリント出来ると連絡が来た。案の定まだネガはスキャンしてなかったそうで（金曜までにするって話だった）スキャンも必要ないとわかったのでお金も返金してくれるとのこと。
よかった。夕方また連絡が来て、もうプリントが準備できたから明日取りに来て大丈夫だそう。安心。
3/20 DAY73
メキシコシティに着いてから絶対行きたいと思ってたメキシコのピラミッド、テオティワカン。でも展示をすることになったり、普通に街が楽しすぎて行けてなかったんだけど展示前の今日、タイミングが来た。
朝７時に起きて８時には家を出て、電車とバスを乗り継ぎ着いたのは10:30頃。
遠くに見えるピラミッドへ向かい歩く。するとなんだか太鼓の音が聞こえてきた。でも太鼓を叩いてる人もいないしなんの音なんだろう？ 太陽のピラミッドの方の階段を登った。登ると階段の高さで見えなかった、階段の向こうにあるものが見えた。踊っている。ワクワクしながら近づくとインディアンみたいな格好をした人たちが大勢で踊っていた。儀式だ。春分の日だからやっているのだとすぐ理解した。今日来てよかった。太鼓に合わせて植物で作った鈴を足首と手首に付け踊る。それでシャラシャラ音がする。
この日に来ることになったタイミングも全て完璧に宇宙が計画してくれていたみたいだ。そして今日は亡き父の誕生日。良いタイミング。
テオティワカンは大きい。月のピラミッドの方にも色々回るところがあるし、太陽のピラミッドの奥にもメソアメリカ時代の中心となっていたエリアが残っている。メキシコシティに行く人はぜひ行ってみてほしい。またマチュピチュの話になるけど、マチュピチュは歴史上では600年前に建てられたというが、このメキシコのピラミッドは2400年前。紀元前300年にくらいに建てられたもの。作り方も違うし素材も違うが、このピラミッドをみているとマチュピチュがたった600年前とは到底信じがたい。だってそんな昔にこんな技術があったのに600年前だったらマチュピチュよりもっとより現代に近い建造物を作っていたと思う。個人的にはこのピラミッドもマチュピチュも同年代だと感じた。
さて２時間くらいかけて周り、帰りのバス。ネットには帰りのバスはPuerta １、２、３どちらからも15分置きに出ているというから着いたところとは別のPuerta １からバスに乗ろうと思ったらここにはバスはほぼ来ないからPuerta ２に行った方がいいよと道にいたお姉さんが教えてくれて、Puerta ２まで歩くこと15分ほど。
朝はバスのタイミングが良すぎて食べ物を買うこともできず、朝から水しか飲んでなかったのでマンゴーとキュウリにチリとレモンをかけてもらうおやつを買った。すると「ほら、バス来てるよ！」とお兄さんが教えてくれて急いでバスに乗り込む。眠くなり途中で寝てしまった。
さて市内に戻ってきてから大忙し。まずは斌太に展示で使うマグネットを借りに行って、家に戻る途中タコスをテイクアウト。家についてタコスを口に放り込んで写真を持って会場のLoose Bluesへ。それからコピー屋でフライヤーを印刷し、昨日連絡が来た写真を取りに行き、Loose Bluesに戻って展示の準備。
なんだかんだ終わって家に帰ってきたのは21時すぎ。またタコスをテイクアウトして家に帰ってきた。でもそれでも足りないので家に残っている鶏肉とブロッコリーでこっちで食べたライムの酸味が爽やかで美味しいCaldo de polloを作った。ご飯も残っていたのでそれを入れて食べると、なんと美味しい〜 これは日本に帰っても作りたいメニュー。
3/21 DAY74
展示前日。
朝からラグニージャに写真を額装しにもらいに行った。そのままLoose Bluesへ行って飾る場所を決めて準備完了。
後は展示のステートメントとプライスリストを作って明日印刷して貼るだけ。なんだかんだあったけど間に合ってよかった。
3/22 DAY75
昨日の夜に食べたチーズでお腹がやられたのか夜中に３回も起きてトイレに行った。
そんなこんなで5:30には目が覚めてしまって、ぐだぐだして7:30にまた眠くなって寝て、9:30に起きた。
朝から展示に貼るステートメントと、プライスリストの修正をし、なんだかんだやっているともう15時。タクシーでコピー屋まで行ってそこからはメトロバスで会場近くまで。
16時には全て作業も終わっていて店の隣のコーヒー屋へ行ったりしてお店で働いているなぜか2人とも大阪出身のよしくんとたけるくんと色々話した。お腹が空いたのでタコスをサクッと食べに行こうと思って歩いていると、数日前にお店であったフォトグラファーの友達とばったり。共通の友達がいて２年前に行ったポルトガルのサーフフェスで同じ場所にいたという奇跡。一昨日、昨日オアハカに行くと言っていたのにまだシティにいる。どしたの？ と聞いたら「いつも海にいるけどたまにのシティも楽しくってさ〜」シティに着いた当日に展示をするお店でばったり会って、その時から明日オアハカに行こうと思ってたけど美佑の写真見たいから金曜までいることにする！ と言っていたけどもうオアハカに行くと聞いたからそうなのかと思っていたらやっぱり来てくれるらしい。嬉しいな。
展示はLoose Blueが毎週金曜日にIZAKAYA NIGHTというイベントをやっているおかげもあって人で大賑わい。
初めましての人もZINEを買ってくれたりしてすごく嬉しかったな。展示のリキャップはまた後日。
メキシコシティってマジカルだなと思うのは、こないだもたまたま日本でタコス屋をやってるなるほくんにあったり、ポルトガルで同じフェスにいた男の子にばったり会ったりとにかくすごい偶然が起きる。
10年以上前に日本で会ってそれ以来ずっと友達のエイミーとはNYでも近くに住んでいてお互い食いしん坊で、NY時代に週一で一緒にDim sumを食べに行っていた親友がいるんだけど、なんとその子からも先週連絡が来て、友達のバースデートリップでCDMXに展示の前日に到着すると聞いてどういうことー！！！ ってなったり。彼女と最後に会ったのは2022年の９月末。その時も仕事で日本に来ていてバルセロナから帰ってきて２日後に銀座で一緒にラーメンを食べた以来。彼女が展示に一番乗りで来てくれてお互いの人生についてアップデートしあった。
さて夜も竹縄。展示のあとは斌太たちとセントロの方へ向かった。着いた先はレゲエやルーツメインのクラブ。各階ごとに２つくらい部屋があってそれぞれ違うDJがいる。メキシコシティでの夜遊びは２回目だけど１回目は全然つまらなくて、このパーティーはもっと地元感があって面白かった。煙がもくもくすぎてすごかったな。面白い写真が撮れていることでしょう。
3/23 DAY76
帰ってきたのは夜中の2:30ごろ
それでも9:30には起きてしまった。
Loose Bluesにもらったお花を取りに行って、そのまま速攻家に帰ってきて夜は今朝買った砂肝を料理。
米が食べたくて残っていたジャスミンライスを今日買った鶏ももを茹でた出汁で炊いて美味しくいただきました。
それ以外にもパチの家にあった春雨で中華風サラダを作って、きゅうりをごま油と塩とちょっとの醤油でおつまみに。夜はいきなりパチの友達がきてみんなでメスカル。砂肝を美味しいと言ってくれてよかった！
3/24 DAY77
展示のことをまとめて綴ろうと思ったけどまだ自分でも処理できていないのでまたいつかの機会に。
初めての場所で何もわからないけど、「うわ！展示したい！」という、ふと思った気持ちに素直になってやってみてよかったと思う。2018年にパリに初めて行った時も展示をしたんだけどその時より展示してきた回数も増えたし、やっと自分が表現したいことがより明確に、そして写真で表現できるようになってきたと思う。今回の経験を通してどの場所に行っても展示できるなって自信に繋がった。１人で頑張らないで素直に助けを求めること、協力してもらうことも大事だなと。展示はエネルギーをものすごく使うから終わったあとは本当になんもしたくないというか、ぼーっとしてただ美味しいもの食べたいっていう感じになるな。日本に帰ったらまた旅の写真と感じたことを何かの形で発表したいと思います。
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Miyu Fukada
横浜生まれ、バルセロナ在住。NYへ留学中、ガラクタ市でみつけた10$のフィルムカメラで写真を 撮り始める。写真、雑誌でのコラム執筆、モデル、コーディネーター、通訳／翻訳など多岐に渡って活動中。
