1日100円生活。死にそう。

えもーしょん 大人篇 #3

1日100円生活。死にそう。

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / dec.25.2019

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#3
「1日100円生活。死にそう」
(2016~/カイト・大人)

ガァァァァァァァァ!!!

ッッッペッッッ!!!

隣の部屋に住む
おっさんの歯磨きの音で目が覚める。

ボク「あぁぁ」

今日も、朝が来てしまったのか。

失恋した時や、苦しい時に
明けない夜はないと言うが

流石に、こう何日も
同じ日々をただ機械のように生きていると

明けないでくれ!と願うばかりだ。

一人暮らしを始めて、1ヶ月

そろそろ、貯金も無くなり始めた。

彼女もいないし、エッチなアニメも
見る気にもならないし。

本当に、生きている感じがしない。

唯一の楽しみは

1日100円生活。

最初は辛かったが

だんだん、慣れてきた。

よく、テレビで
道に生えている、草を食べた。
なんてエピソードがあるが

1日100円生活者には、必然的に
通らなくてはならない道だった。

しかし、ボクは
流石に犬のウンチやオシッコが
付いているかもしれない
草を食べる勇気はない。

もし仮に、それを食べるとしても
茹でなくてはいけないから

ガス代と水道代がかかって
かえってコストがかかる。

ボク「なんか、食べれそうな草ないかなぁ」

と最近の口癖を呟きながら

道を歩く。

こんな時ほど、両親に
感謝した事はないだろう。

幼い頃から
両親と散歩をし、公園に行っては
この草は食べられる。
この花は食べられる。

など、無意識に教わっていたからか
大体の植物は把握していた。

近くの公園には、ヨモギかたんぽぽがある。

たんぽぽ公園と名付け

緊急時の食料は確保した。と

少し余裕を持っていた。

今日の目標は

マリーゴールドをゲットする事だ。

あわよくば、グミの実も欲しい。

夜のメニューは

マリーゴールドとたんぽぽのサラダ。

デザートに、グミの実。

まぁ、マリーゴールドは

最悪、そこら辺のおばちゃんの
プランターから少しずつもらえば
なんとかなるだろう。

公園で

小学生か、それよりも小さい子供達に混ざり

タンポポを袋に入れていた。

すると、なにやら

管理人らしき人が2人ほど集まり始めた。

管理人「すみません、君何しているの?」

ボク「あ、食べようと思って」

管理人「公園内の植物はとっちゃいけないんだよ」

ボク「そうなんですか………?」

管理人「看板にも書いてあるよ」

ボク「すみません」

と、こっそりそれまでの

タンポポをポケットに入れて

公園を後にする。

やばい。

今後、タンポポが夜ご飯にないのは

結構、痛い。

最近の主食になりつつあったのに。

違う公園を探さないと……。

けれど、遠くまで行くにも

お腹が空くから

行きたくない。

出来れば、この家の前の公園で

全てを済ませたい。

一度、家に帰り

作戦を練ろう。

続く


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