朝焼け

えもーしょん 小学生篇 #34

朝焼け

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / may.21.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#34 「朝焼け」
(2003〜2010/カイト・小学生)

目が覚めた瞬間から

何かが、燃えていた。

新しく買ってもらった

スケートボードのデッキ

すぐに

テールが擦り減る。

友達のお兄ちゃんは

テールに鉄をつけて

ダウンヒル。

降りきって、テールを踏むと

火花が飛び散る。

時々、お巡りさんに

止められているから

ボクには出来ないけれど

どうにか、この

擦り減るテール問題を

どうにかしたい。

擦り減る問題は

他にもある。

例えば、お気に入りの

リーバイスのデニムもその1つ。

転んだら、すぐに穴が開くし

汗をかいて、プッシュしていれば

膝の跡がぽこんと、出てきて

なんか、嫌だ。

洗いたいけど、洗うと小さくなるし

色が、落ちちゃうでしょう?

ある日

友達のガクが恥ずかしそうに

もじもじと、歩いていた。

「ガクー!」

と、ボク

サッと、公園の方へ

走るガク。

まぁ、いっか。

と、海へ向かう。

砂浜で、1人砂漠ごっこをしていると

「かいと、かいと…」

と、ささやき声が

ん???

視線の先には

内股で、もじもじする

ガクの姿が

「ガク!」

お猿のような顔のガク

スパイダーマンが大好きで

彼の部屋の壁紙はもちろん

スパイダーマン。

天井には、スパイダーマンのポスターがズラリ

ガクのママと、パパはお仕事で

アメリカを行ったり来たり

だから、見たこともないような

スパイダーマングッズに囲まれている。

ガクは、プシュー!っと

どうやら、ボクを糸で

引っ張っているようだ。

うぉぉぉぉぉぉぉ!

っとボクも引っ張られる。

「さっき、どうしたの?」

と、内股のスパイダーマンに聞いた。

「これ、見て…」

と、内股スパイダーが膝を見せてくれた

そこには、なんと

破れたジーンズの

穴を、お猿のジョージの布が

覆っていたのだ。

カッコよければいいのだが

どこか、こう…

幼稚園の、バックのような…

なんとも言えない、ダサさだった。

「だから、内股なのか…」

「うん、そう。」

「まったく、スパイダー…」
羞恥心とは、こんなことなのか…?


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