ラグマット

えもーしょん 大人篇 #64

ラグマット

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / oct.15.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#64
「ラグマット」
(2016~/カイト・大人)

約3年前。

ボクは、下町の職人さんのような

お洒落なんか気にしない、本気の

ラグマット職人を目指した時期があった。

それも、生半可な気持ちじゃない。

本気「まじ」だった。

まず、織り機「高機」から自作してやるぞ!!!

と、思い国立国会図書館へ向かった。

そして、図書館のインターネットで

「高機 仕組み」と検索。

すると、50年ほど前の教材資料にざっくりとした

仕組みが記載されているのを見つけ

プリントアウトをお願いし、一度自宅へ戻り

ゆっくり、仕組みを理解するところから始まった。

数日後、そもそもこんなに大きな意味あるの?

と、考えたボクはちょっとコンパクトに

そして、折り畳めるように考え

近くに住む、先輩に頼み込み

隣の隣町にある大きなホームセンターで作戦は開始した。

想像以上に、作戦は難航。

なんとか、1ヶ月ほどかけて完成したが

縦糸が最大50本しか、通せないことから

雲行きが怪しくなり始めた。

そして、いざ! 始めようと決めた時。

決定的なミスに気づく。

それは、1番大切な竿と呼ばれる部分がボクらが作った。

竹串では、やはり耐久性がないこと。

そして、縦糸の固定が甘いせいで

うまく技能しないということ。

程なくして、ボクの情熱はゆっくりと鎮火していった。

それから、2年ほど経ったある日。

仕事が一段落し、少し家の片付けでもしようか。

と、クローゼットを開けた。

1番奥にあるダンボールから、昔の織り機の資料が出てきた。

その日から、諦めていたラグマットへの思いが

ふつふつと、蘇り

休みの日に、調べて調べて想像以上に期待していた。

資料が見つかった。

しかし、次に予算的な問題がやってくる。

こういう大きな作品には、必ずお金問題がつきもの。

なにも気にせず、好きな材料で精一杯作りたい気持ち反面。

現実的に考えなければいけない。

しかし、1度諦めてしまっているボクは

2度も諦めるわけにはいかなかった。

そこで、初めて支援をお願いした。

本当に、ほんの少しでも足しになったら良いなぁ。

それくらいに思っていたけど

びっくりするほどの支援が集まり

ボクは、材料を揃え3年越しにラグマットの作品を完成させた。

小さい頃、ボクの家には電気カーペットしかなかった。

けど、ちょっとお金持ちの友達のお家へ遊びにいった時

見たこともないくらい大きなリビングに

完璧な比率で敷かれているラグマットを見たあの日から

ボクのラグマットへ憧れは高まるばかり。

きっと、おじいちゃんになっても作り続けるラグマット。

誰かの足元の温もりになれたら。

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