えもーしょん 小学生篇 #9
ジングルベルは諦めて。
2003〜2010/カイト・小学生
Contributed by Kaito Fukui
People / 2020.01.02
小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!
#9 「ジングルベルは諦めて」
(2003〜2010/カイト・小学生)
外を見れば
同い年くらいの男の子が
サンタクロースからもらった
ラジコンで遊んでいる。
隣には、ついさっきまで
サンタクロースだっただろう
男の子のお父さん。
素敵な景色……。
ボクのクリスマスプレゼントは
パパの車に変わった…。
ラジコンで遊ぶ、男の子を横目に
新しい、ダッチを洗うパパ…。
ボクのクリスマスプレゼント…
ボクのクリスマス…
ボクのジングルベルを返せ。
これから
駐車場を見るたび、憂鬱な朝を迎えると
思うと、フツフツと怒りが…。
くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!
遣る瀬無い、気持ちを抑え
深呼吸。
ーーーーーーーーーーーーー!!!
ボクには次なる憂鬱が襲ってくる…
お正月だ
お正月は、地獄。
毎年、おじいちゃんとおばあちゃんの家に
親戚がみんな集まるわけだが
ボクとパパとママを見る目は
本当に痛い。
白く、冷たい目線で
ボクらは何時間も正座をし
気を使いながら、お節料理に箸を伸ばす。
ボクは、パパのお姉さんの家族が嫌いだ。
ザ・家族!
文字に書いたような家族で
旦那さんはサラリーマン
お姉さんは、専業主婦
子供は2人の4人家族
45年ローンで家を建て
長男は、大学へ
次男は普通に学校へ行き
趣味でサッカーを
くっっっっっっっっそつまらん。
しかし、おばあちゃんや
親戚は、これが最高の家族。としていて
そして、人としても立派。としている。
小学2年生のボクは
はて、それはどうかと
毎年、毎年思う。
確かに、毎日学校へ行く事は
とってもえらい事だけど
ボクは、小学2年生で
スポンサーが3社ついているよ…
毎日毎日、おじちゃん達の
顔色を伺って生きているし
少しは褒めてくれてもいいんじゃないか。
と
ボクは、少し寂しい。
こんなにも、大勢の人間が
わざとらしく、ボクらをシカトするなんて
揃って、ボクらを否定するなんて
何かおかしい。
ただ、小学2年生のボクは
何がおかしいか。までは
わからないよ。
けれど、何か変だこの家族。。。
そんな、恒例の初病みを迎えると
ついに!
お年玉の時間がやってきた!!!
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁん❣️
ボクのじゃがりこ〜!
はい、カイちゃん。
はい、どうぞ。
計画的に使うのよ。
などと、言われながら
親戚の席を周り、お年玉を回収。
部屋の隅に走り
数える。
ん〜〜〜〜〜!!!
去年よりも増えてる❣️
これこれ、これよ〜
家族ってやっぱりこれだよねっ❤️
やっぱり家族っていいねっ❤️
みんな、大好きっ❤️
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Kaito Fukui
1997年 東京都出身 幼少期から波と戯れ、サーフィン、スケートボード、恋に青春。 あの時、あの頃の機微を紡ぐように幾層ものレイヤー重ね描き、未来を視る。 美化されたり、湾曲、誇張される記憶を優しく繊細な浮遊感で!