出版社の日常-#7

本の登場人物に会いに行く
in 台湾

Photo & Text: TWO VIRGINS

People / 2018.12.28



“皆さまのライフスタイルにちょこっと混ぜていただきたい出版社”トゥーヴァージンズが、出版社ならではの視点で切り取った本のこと、書店のこと、出版業界のことをあれこれと綴るこの連載。
今回は12月1〜2日に台北で開催されたアートブックとコーヒーの祭典「HaveAnice Festival」のレポートをお届けします。


トゥーヴァージンズは昨年開催された「Culture & Art Book FAIR in Taipei」に続き2度目の台湾出展です。

今回の出展には大事な目的がありました。それは12月11日に発売された台湾のカルチャーシーンを牽引する50組を紹介した『TAIWAN FACE』の台湾先行発売。そして、取材させていただいた方々に直接お礼をお伝えすること。

というわけで、出来立てホヤホヤの本を詰め込んでいざ台湾へ!

「HaveAnice Festival」は台湾と日本の独立系の出版社や書店、セレクトショップとコーヒーショップが集まるまさに文化系人間の心がキラキラときめくイベントです。

昨年は「Culture & Coffee FAIR in Taipei」と「Culture & Art Book FAIR in Taipei」と別々に開催されておりましたが今年は隣り合わせの会場で同時開催。



場所は元タバコ工場をリノベーションした松山文創園區。今は台湾のカルチャーを発信する文化総合施設として利用されています。



(気温は半袖でも十分過ごせるくらいの暖かさ。ヤシの木やブーゲンビリアの花がそよ風に揺れて、脳内BGMには大滝先生の「カナリア諸島にて」がループ再生。ああ、なんて心地よい国なんだ……。)

いけない、いけない!
重大任務を遂行しなければ。



(今回は『みんなのちきゅうカタログ』の表紙イラストを担当してくださったイラストレーターの川村若菜さんチームも参加です)



お隣は日本でも大人気の靴下ブランド「テンモア」さん。久しぶりの再会に歓喜! 新作もデザイナーの彼女たちもたまらなくキュート。
弊社で刊行した『+10 テンモア 台湾うまれ、小さな靴下の大きな世界』と合わせて購入してくださる方もたくさんいました。


(テンモアで企画・広報・生産管理を担当するJoisさん)

実際にたくさんの本の登場人物の方々にお会いすることができました。
もしかして……と本の人物イラストの記憶を頼りにおそるおそる声をかけてみると……。
「これ、俺じゃないか!」とご本人もびっくり!
(取材は数ヶ月前で、時間が経っていたので、あぁ、あの時の!という反応)


(今、台湾で大人気のドラフトカクテルバー「Draft Land」の創業者・Angus Zouさん)


(台湾茶ブランド「Wolf Tea」の共同創業者兼社長・Davidさん(左)、共同創業者兼デザイナー・Arwenさん(右))


(大手企業の広告からミュージシャンやアーティストの撮影も手がける台湾を代表するフォトグラファー・DingDongさん)

ご友人やご家族にもページを見せて取材時のエピソードをお話しされている方も。
その楽しそうな表情を見るとこの本を出せてよかったなぁ、と出版社冥利につきる瞬間でした。
中国語でも出版できたらいいなぁ。



そして、この本の監修者であり、この大きなイベントを手がけるFUJIN TREEの小路輔さん。
まさに台湾と日本の文化をつなぐ架け橋の役目を担いながら、台湾に新しいカルチャーシーンを提案する仕掛け人。

変化し続ける台湾の文化を丁寧に汲み取り、生活に浸透していくためのアイデアと考えがこの本にも綴られています。

まだまだ載せきれないすてきな出会いがありましたが、それはまた後日に。

国を超えて言葉を超えて「本」だから伝えられるものがあることを、あらためて信じていこうと思えた2日間でした。
本年もありがとうございました。また来年、この連載と皆さまの本棚でお会いできれば嬉しいです。


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