夏は誰の季節

えもーしょん 高校生篇 #45

夏は誰の季節

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / aug.15.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#45
「夏は誰の季節」
(2013〜2016/カイト・高校生)

夏になると、海には沢山の人がやってくる

サーフィンをする人

ボディボードをする人

海水浴をする人

ただ、海に来た人

ボクが好きな人は

ナンパする人。

今年も、きっと新たなスターが誕生するだろう

台風のうねりが入ったある日

ボクは、いつものようにサーフィンをしていた

朝から入って、もう3時間ほどサーフィンしている

アウトから、ビーチの様子を見ていると

だんだんと、海水浴の人達が増えて来ていた。

すると、やはり比例して

イケイケの彼らもやってくる

大体、10対1の比率だろうか

彼らにも、ボクなりのジャンルがあって

真っ黒に日焼けして、金髪。

そして、筋肉ムキムキ系と

色白、細マッチョ、ツーブロックの

自称シティボーイ系

ひと昔前のトレンドは

色黒、ムキムキ系だったらしい。

が、今のトレンドはどうやら

シティボーイ系のようだ。

これは、地域によっても

かなり、差があるようで

以前、大会で九州の方へ行った際

シティボーイ系と色黒系

どっちがトレンドか聞くと

なんと、即答で

色黒系と言っていた。

ほぅ…

ボクには程遠い。

色黒、ムキムキ系の人は、少し苦手だ。

それは、嫉妬心から来ているが

認めたくはない。

中学2年生のプールの授業で

ガリガリと女の子に笑われてから

ボクは、初めてそこで

ガリガリ=もやし

このイメージがまだ、ボクの世代でも残っていると認識した。

正直、海かスーパーへ行く以外

夏は、ほぼ家から出ない。

出たくない。

ずっとエアコンの効いた家の中で

永遠にケーブルテレビを見て

ドラマを見て

アニメを見て、漫画を読んで

夏を過ごしたい。

けれど、やっぱりオトコとして生まれたからには

そりゃ、もう

モテたい。

普通に、モテるよりも

モテモテの、モッテモテになりたい心はある。

ならば!

と、ご飯をもりもり食べ

筋トレをした。が彼らのようには

なることはなかった。

どうやら、骨格が違うらしい。

元々、線が細いボクは

決して、彼らのようにはなれないと

そこで、知ったのだ。

それから、ボクは彼らに対して

生まれながらに負けた感覚を覚え

嫉妬し、距離をとってしまう。

だから、今日も

色白、細マッチョを応援している。

トレンドは、色白系

しかし、なかなか話に行かない。

ハングリー精神に欠けている部分がある。

みたまえ

あの、大きな体の漢たちを

オトコ!!!

と、体が語っている彼らを

どうだ、女の子の前を通るたびに

胸筋をピクピクさせ

笑わせているじゃないか。

君たちはどうだ

海にまで来て

髪の毛なんか気にしている場合か!

ここに、鏡はないぞ!

この、もやしっ子め!!!

と、思うところ

やはり、どこか応援したくなるのは

ムキムキマッチョ

ボクにも、少し昭和の心が宿っているのだろうか。

海からの帰り道

さっき、ビーチでナンパしていたムキムキマッチョが

色白の、可愛いギャルを連れて歩いていた

なんとも、男らしい。

あれこそが、勝者の姿か…

テクテクと、遠くから色白の

集団がやってくる

4人の男の中に、女の子はいない。

そして、やはり

髪の毛を気にしている…。

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