ENDLESS SUMMER #2

Park Delicatessen

Contributed by Daisuke Endo

Trip / oct.30.2018

ニューヨークのメトロの駅と聞いて思い浮かべるイメージとはすこし違う、緑が多くてのどかな単線のホームがあるこの駅が、友人が営む小さなショップの最寄り駅。


クラウンハイツ、ブルックリン・ミュージアムから数ブロック。
「Park Delicatessen」、通称パークデリは、静かな住宅街の中にひっそりとあるスケートショップとフローリスト(花屋)がミックスされた不思議な店。オーナーのマイケルと奥さんのバレンタインは自分にとって大切な友人で、ここに顔を出すのがニューヨークに来る目的のひとつだった。


近所のみならず日々いろいろな人から注文がやまない人気の花屋で、特にバレンタインデーや父の日・母の日のような花を贈るタイミングではものすごい繁盛っぷりになるとのこと。このときはちょうど卒業シーズン、つまりプロムの時期で、胸に差す一輪の花を求めにやってくる男子が絶えなかった。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』そのままのプロムが今も行われてると知って、ちょっと羨ましくなった。


花以外では、パークデリのオリジナルはじめマイケルの仲間たちが手がけるデッキやウェア、趣味丸出しの「日本の文房具コーナー」、そこに一緒に盟友マイク・ペリーの作品集やふざけてポルノ雑誌の切り抜きでつくったライターが並んでいたり。
ピンクに塗った壁、さまざまなところから調達してきた一見ちぐはぐな家具や什器が、商品の振り幅の広さと相まって、パークデリらしさになってる気がする。


地下には、アジトのようなアトリエ。いたるところにインスピレーション源になる写真やアートや雑誌の切り抜きが貼ってある。


マイケルのデスク。共通の友人がやっているサンフランシスコの「HANDSOME OXFORD」のパッチや日米の彼の友人たちにまつわるグッズが並んでる。上からぶら下がってるポッキーの日のPOPはどこから持ってきたんだろう…。


デスクの片隅には僕が過去にマイケルに贈った自作のワッペン×2がついたキャップを発見!まさかシルバーのキャップにつけるとは思わなかったよ。

マイケルはアメリカ人らしからぬマメな性格で(と言ったら全アメリカ人に失礼かもしれないけれど)「これを言ったら相手は嫌な思いをしないかな?」とかいちいち考えるような、繊細で優しい男。どういうわけだか意気投合して、普段から仕事や家族のことをLINEでよく話し合ってる。日本が好きで、同時に日本人の知り合いも多いので、綺麗な日本人女性のインスタを見つけては、「エンドの彼女にどう?」と送ってきてくれたりする。

洋服づくりやスタイリングが得意でマイケルを支えている奥さんのバレンタインに、本当に可愛くてむしろあざとい息子のマーセル、家族で良くしてもらっていて、実はニューヨーク滞在中も何度も食事に連れて行ってもらった。


「Pies ’n’ Thighs」は彼ら家族がよく行く店で、日本人がびっくりしがちなチキンワッフルが看板メニュー。
地元の人で賑わう店内で地元の家族と一緒にとる夕食はすこしだけこの土地にとけ込めたような気分を味あわせてくれた。ウィリアムスバーグブリッジの入口の公園での別れ際、マーセルが花を摘んで渡してくれた。マーセルはすこし寂しそうにくっついてきて、『バレンタインが本当の兄弟みたいね』と笑って、さすが『花屋の息子だね』とマイケルに言うと彼も嬉しそうにして、とてもいい時間だったな。なんだかニューヨークに来た目的をはやくも果たしたような、そんな気分を感じてしまった。

Tag

Writer