アメリカン カーライフ。

Contributed by Daisuke Endo

Trip / 2019.05.28

自分の旅において絶対に欠かせないクルマの話。

アメリカの友人は、「日本のクルマは特にエンジンが優秀だから長く乗れる。だからアメリカでは古い日本車もたくさん走ってるんだ」と言う。

ところが、日本では古い日本車はあまり見かけない気がする。20~30年前の国産車が走ってるのを見たら、おっと思う。だからアメリカ人は日本人よりもていねいに手入れをして長く乗ろうっていうマインドがあるんじゃないか、と。

すると友人は、「いや、アメリカ人は雑だよ。長く乗れてるのは日本車が優秀だからなだけだし、それに日本と同じように普通に無個性な新車買う人もたくさんいるよ」と言う。

たしかに『LA LA LAND』の劇中ではみんながプリウスにばっかり乗っていることを揶揄するようなシーンがあるけれど、一方で『OCEANS 7』ではケイト・ブランシェットの愛車がランクル60だし、『DEADPOOL』の銃撃戦の真ん中でかわいそうなことになってるのはテラノだったりして、アメリカの古いクルマ事情にはいちいち夢がある。

というか、結局日本車じゃなくても走っているのは古いクルマが多い。その理由は彼らのマインドというか習慣にあるんだと思う。キューバに旧車が多いのとは違って、国の事情があるわけでもないし。

そんな前置きはともかく、今回もニューヨークからハワイに来てやっぱりクルマがたくさん目についた。レアなクルマかどうかじゃなく、なんとなく今アメリカにいる感じを盛り上げてくれるクルマを撮りためた。





ウィリアムスバーグにいた大先輩な2代目エコノライン。 最後の年に生産されてたとしても自分より年上だと思ったら1ブロック先にもう1台いた。こっちは初代の顔。てことは50年以上前のはずだけど、こんな綺麗なの?ちゃんと次の日にはいなくなってたから、現役で走ってるということだ。



ランクル70 。やっぱりカリフォルニアなどと違ってニューヨークは建物密集地だからか、小回りのききそうなクルマも多いような。このランクルもショート。



マンハッタンを臨む比較的新しい建物が多いエリアにいたジープはソフトトップでワイルドだけどシックなカラーに洗車も行き届いていてちょっと都会感漂う。


おなじみの黄色いスクールバスもほどよいサイズ。


と思いきやセントラルパーク横にはスーパーロング仕様。


そして、その前を走ってきたこれがニューヨークで一番古い乗り物かな。

日本だと特にスタイルを感じるクルマほど持ち主の見た目が想像つくというか、「あ〜やっぱりあのクルマの主はあんな感じの人だよね〜」と納得することが多い気がするけど、ニューヨークではそんなことはなかった。ラスティックなブロンコからおりてきたのが髪からスーツまでぴしっと決まったやり手金融マン風紳士(想像)だったりとか、ギャップがあっておもしろい。



移動してハワイはアラモアナにいた重鎮2台。ハワイは道も広いしサーフボードやカヤックやバーベキュー道具を運ぶためかタコマやタンドラのようなタフなピックアップもよく見るけど、そんな中にこんなクラシックカーも混ざっている。

ノースショアに行くともうその土地の空気にあったクルマばかりが赤土の上に無造作に停まっている。ハレイワの街はヒストリックタウンと言われているけど、クルマに関してもその名に違わず。





最後はまたジープ。ブルックリンにいたジープとはすべてが正反対の御姿……。
これに関しては運転手はまったくギャップなし、ハワイらしい筋骨隆々のメンズが山から戻ってきたクルマでした。実用と完全に紐づいた感じがアメリカらしくてとても良い。

今回の旅は特にクルマに目がいく旅で、それは自分がクルマに関わる仕事をし始めたからでもあったのだろうけど、クルマから見える地域性や暮らし、スタイルがあることを改めて感じた。日々の生活とクルマが密着しているというか、距離感が近いというか。そんなクルマとの関係性が素晴らしいかな。

アメリカの皆さま、これからもそのクルマ、大事に長く乗ってくださいね。


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