Vive les vacances ! ~Time to spare Heart to spare~ #25
Packed train for Annecy
Contributed by Mizuki
Trip / 2023.07.26
バカンスを生きがいにし、「暮らし」や「人生」に豊かさを求めるフランス人の生活を表す言葉。そんなフランスに留学中の大学生Mizukiさんが、現地から仕事やお金に執着せず、日々の生活をどう楽しむか、豊かな暮らしを送るヒントをシェア。
#25
2022年10月中旬
旅好きのクラスメート、マティスはいつものように
「Mizuki、今週末はどこ行くの?」と聞いた。
中間テストが迫っていたので、「出かける予定はない」と答えた。
彼は珍しく予定がなかったらしく、「Annecy(アヌシー)に行こう!」と言った。また突然の提案(笑)
アヌシーはリヨンと同じオルヴェルヌ=ローヌ=アルプス地方(Auvergne-Rhône-Alpes)のオートサヴォワ県(Haute-Savoie)にある小さな都市で、リヨンから電車を使い約2時間でアクセスできる。アヌシーはアルプスに囲まれる湖が有名で、「フランスのヴェネチア」とも言われるそう。既にアンシーに訪れた留学生達からは「絶対行くべき!」と言われていたこともあって、アヌシーは留学中のバケットリストでもあった。
しかも、その週末に限り電車(TRE=ローカルトレイン)がどうやら無料だと聞いた。「今週がチャンスだよ! 電車で勉強すればいいじゃん!」そう説得され、アヌシーへの日帰り旅行が決まった! 仲良しのメロディーとレアも一緒に来ることに☺︎
「電車賃が無料」とは聞いていたが、正直駅に着くまでは確かではなかった。でも駅に着くと本当にゲートが空いていて、チケットなしでホームに入れる状態になっていた! ラッキー!
しかし、ホームは人でごった返していてかなりカオスな状況だった。みんなこの日を目がけて旅行のプランを立てていたのだ。納得。
こんな感じ!
電車が来ると、皆が一斉に駆け込む。その光景に呆然としていた私たちは時既に遅しで、ドアギリギリのところに立った。この状態で2時間と考えると恐ろしかったが、「交通費が浮いたね!」とみんなで慰めあった(笑)
電車の中の様子。留学生のソニアもこの旅に参加することに☺︎
アヌシーに到着!
街の背景にはアルプスの山々が
10月中旬だったにも関わらず天気は快晴。
ジャケットを持ってきたのは大外れだった。久々に良い天気だったせいか皆んな夏服を身に纏いテラスで幸せそうにランチやお酒を楽しんでいた。
アンシーに来て欠かせないのがサヴォワ料理。アルプスに囲まれ、スイスのジュネーブから車で約1時間内にあるアヌシーはチーズ(特にサヴォワチーズ)で有名。代表的な料理と言えば、チーズフォンデュやラクレット。
私たちもせっかくなのでサヴォワ料理が食べられるレストランへ……
Tartiflette(手前)とFondue(奥)
Tartiflette(タルティフレット)
サヴォワ地方の郷土料理で、日本で言うグラタンのようなもの。ジャガイモやベーコン、玉ねぎにルボロション(=サヴォワ地方のチーズ)を乗せてオーブンで焼いたシンプルな料理。
Fondue(フォンデュ)
日本でもお馴染みのチーズフォンデュだが、本場のフォンデュは全然違う! チーズそのもののテイストや濃厚さはもちろん、白ワインが効いているのが特徴。チーズの付け合わせの基本はバゲット。すごいヘビーだけど寒い冬の時期に食べるのは最高そう☺︎
お腹いっぱいになった後は旧市街地を散策。
リヨンの人を lyonnais(男性), lyonnaise(女性)と言うように、アヌシーでは annécien(男性), annécienne(女性)というらしい。どこの都市に行っても、その場所の人々を表す言葉があるのは面白い。
南仏にしばらく住んでいた私は今までフランスの「山」とは無縁で、「海」の景色ばかりを見てきた。フランスの海はいつも私のお気に入りだが、今回の旅を通してフランスの山の美しさにも触れることができた。「山」と「海」どっちも楽しめるのがフランスだな。
多分リヨンに来ていなかったら見ていない景色。フランスの美しさにまた発見できる旅だった。
À bientôt!
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Mizuki
東京の大学に通う21歳。純ジャパフレンチガール。生まれも育ちも日本、フランス語経験もゼロだったが、16歳でフランスへ留学。大学生となった今、再びフランスに留学中。慌ただしい日本の生活とは異なり、時間がゆったり流れる「バカンス大国」=フランスならではのライフスタイル、人生の楽しみ方、について留学体験と共に発信中。趣味は食べること、ダンス、ボクササイズ、ワイン(詳しくなりたい)。