ファッションウィーク<br>inアメリカンハイスクール

Beginning of my new Life #15

ファッションウィーク
inアメリカンハイスクール

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2024.02.07

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

今回からは番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け。



数ヶ月に一回ほど校内にファッションウィークの貼り紙が貼られる。ファッションウィークでは毎日服装のテーマが決められていて、それに従って服装を決めて学校に来るというものだ。とはいえアメリカの学校なのでもちろん参加は自由である。例えば“White DAY”や“90’s DAY”など、幅広くテーマがある。

私が一番嬉しかったのはパジャマDAY。起きてそのままの格好で良いのだが、生徒によっては靴までスリッパのまま学校に来る。同じテーマのはずなのにこんな発想もあったか! と思わされることもしばしばあり、ファッションウィークの登校日は何だか毎日が楽しかった。テーマの難しい時は普通の格好をして登校したり、ホストファザーに聞きながら服装を決めた。

“90’s DAY”では1990年代、つまり私が生まれる前の時代にアメリカで流行った服装を再現するということだ。バンダナをつけたり、ジージャンにジーンズを組み合わせたり、チェック柄のシャツであったり。これが30年前の流行りだと思うと不思議であった。30年後には今の私たちが着ているファッションをテーマにファッションウィークが行われているのだろうか。そしてファッションは繰り返されるものだから、もしかしたら30年後の若者はジーンズにジージャンを合わせてバンダナをしているかもしれない。



スクールバスに乗るとマリアの隣の席へ行く。これが習慣になっていた。このファッションウィークの時は朝一番のマリアの反応を楽しみにしていた。海外では素直に思いを伝えてくれる人が多いため、普段着にコメントされて傷つくことももちろんあれば、嬉しいこともある。だから2人ともその日のテーマに沿った服を着ている時は何だか嬉しい。彼女は流石ヨーロピアンなだけあり、ファッションセンスは抜群である。スウェットが普段着のアメリカだからこそ、マリアが自分にとっての普通の格好をしていても飛び抜けておしゃれに見え、他とは違って見える。毎年学校で発行されるイヤーアルバムでは『ファッショナブルな生徒』のセクションにマリアの写真が載るほどであった。

ランチタイムには一緒にご飯を食べるメンバーで「今日のあなたイケてるね」という感じでお互いを褒めあっていた。韓国人留学生ミンジもファッションリーダーである。トレンドに敏感で、常にスキンケアからダイエットにまで気を遣っている彼女の自己管理能力は相当である。そんな彼女のファッションウィークの服装には目が離せなかった。「努力の賜物」とは彼女から教わった気がする。常にピザに囲まれているアメリカの高校で、毎日サラダを食べているのは彼女かモデルくらいではないだろうか。



それぞれのセンスがうかがえたファッションウィーク。
日本の学校のように毎日全員が同じ制服を着ている環境では見れないものを見れた気がした。美意識、センス、努力、自信、これらが合わさっての人の見た目。日本社会では見た目が重視される部分が多いものの、中身が外身に現れるという点ではあながち間違えではないのだろう。



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