Between the waves #90
ホリデーロマンス
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2023.11.13
#90
メンタワイロスから抜け出すのに1ヶ月かかった。
乾季のサーフシーズンが9月で終わるインドネシア。
多くの友達が自分の国に帰ったり、長期間滞在していたサーファーたちがこれからはじまる夏をオーストラリアで過ごすためにバリを離れたり。ここ1ヶ月くらいはそんな友達がたくさんいた。
そんなことも色々と重なって、ここ数週間はなんだか気持ちが沈むことが多くて風邪も引いて、気分が下がり気味だった。
バリの生活は最高だし、大好きな場所に変わりはないけど、みんなが通過点として通っていく場所だからこそ入れ替わりが激しい。
出会って、一緒に時間を過ごして、お別れ。
そのスパンが短いからこそ一緒に過ごす時間は濃く、1日、数日で築いたコネクションが深ければ深くなるほど彼らが去った後の虚無感も比例して大きくなる。
この間サーフィン中に1人のオーストラリア人サーファーと出会った。
話せば話すほどお互いに惹かれて、数日一緒に過ごした後、彼は帰国。
この数日間は普通の人の1ヶ月間の恋愛で起こること全てが凝縮されて、まさに典型的なラブストーリー加速版(笑)。
ホリデーロマンスにはまってしまった私たち。
現実に戻り、その数日間で味わった感情に火を点け続けるかどうかは2人の気持ち次第。
割り切って楽しむには十分だけど、この感情のローラーコースターはすごく体力を消耗する。
毎日サーフィンが出来て、トロピカルパラダイスで、友達からは
「You are living the best life in Bali! That’s what everyone wants to do!」
みんなが憧れるライフスタイルをバリで送っているMikiの人生は最高だね! と出会う人には毎回言ってもらえるし、自分でもそう思う。
だけど、たまにもし出会った場所が違っていたら結末は違っていたのかも? なんて考えている自分もいる。
まあ、素敵な時間を素敵な人と過ごせただけでも感謝だと気持ちを落ち着かせてlet goするしかないのかも。
サーフィンをしていると、そんなことは一切考えないで波だけ追えるから、次の日は頭の中の色んな声を空っぽにするために気付くと4時間くらいサーフィンしてた。
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。