デザイナーWilli smith〜COOPER HEWITT

SEASON 2 #13

デザイナーWilli smith〜COOPER HEWITT

Contributed by Yuumi Saigusa

Trip / 2021.11.09

25年越しで「NYに住む!」という夢を果たし、理想と現実の生活に日々苦戦しながらも、今まで感じていたNYCのイメージとは違う、新しいNYCで自分の現在地を探すYuumi Saigusaの旅連載!

#13

つい先日、1日だけの夏休みにグリンポートに行ってエネルギーをチャージしたはずなのに、もうダラリとしてしまう。
今日はお休みにも関わらず、掃除、選択以外には特に予定がない。天気なのにダラリと1日を過ごすのには勿体ない。ちょっと美術館な気分だったので、何か良い展示会がやっていないかと調べてみると“COOPER HEWITT(クーパーヒューイット)”という美術館で面白そうな展示会が開催されていた。聞いた事のある名前のファッションデザイナーの展示会。
この美術館は久しぶりにヒットな出会いでした。



アッパーイーストに位置するアメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーがかつて住んでいた豪邸を改築したデザイン美術館で、建物自体も素敵です。インテリア雑貨やファッションデザイン系ミュージアムとしても知られています。なぜこの場所を今まで知らなかったのだろう、もっと早く出会いたかった!

事前に予約していたチケットを見せて館内に入る。こちらは入館料フリー! アメリカは曜日によってフリー、もしくはドネーション制度(入場者が入場料を決めて入場するシステム)の美術館も多いのだけれどもこちらはいつでもフリー。やはり美術には寛大な国ですね! ずっしりとした重みがあって、説得力のある感じ、一瞬目黒の庭園美術館を思い浮かべました。



恥ずかしながらここに来るまでずーっとハリウッド俳優の“Will smith(ウィルスミス)”と同姓同名のデザイナーか、もしくはデザイン学校を出た“Will smith”が俳優になる前はデザイナーだったのかと訳の分からない事を想像していたけれども、実は“Willi smith(ウィリースミス)”というデザイナーの展示会だった。アフリカ系アメリカ人のデザイナーで、ストリートクチュールの先駆者と評されていた。ウィリーはパフォーマンス、映画、アートなどを融合させて、衣類を人種、階級、性別からもたらすステレオタイプのイメージから解放するためのツールと捉え『ファッション民主化』を促進したとも言われていたそう。

ここでやっと気づいた。やっぱりウィルスミスではなかった。。



最初のセクションで初めてみるデザイナーの展示物に興味津々、早速暫く足を止めてしまった。

一見すると普通に見えるけれども、柄やデザインのディテールが良い!







何気ない日常から芸術を見出していた“ウィリー・スミス”、際どいファッションもビミョーなラインで外さないセンスが人気になったと、私もすっかりファンになってしまった。
そうそう、ファッションとは服のことだけでないのだ。角度を変えてみればその人の生き方ですらファッションやアートになのだ。さらに、人種問題にしたって垣根を乗り越えられる場合もあるのだと、彼の作品を見て改めて思った。アートとファッション、人種を見事に融合させた展示会、終わる前にもう一度行こう!

素敵な庭で少し余韻を覚ましたあと家路に向かいました〜。




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