Que Será, Será #9
キラキラgasque!!
Contributed by Sara
Trip / 2024.01.09
バックパッカー、1人旅、そして留学。現地に足を運んだからこそ見えてきた、それぞれの国でのそれぞれの暮らしかた。「なるようになる!」をモットーに旅をし続ける大学生saraさんの、「旅の記憶」をシェア。
#9
私が留学しているウプサラ大学には、“nation”という文化がある。これは大学公認の学生組織で、カフェやバー、図書館やパーティーイベントを運営する組織。ウプサラ大学には全部で12のnationがあって、生徒のほとんどがどこかに所属する。一言で説明するのは難しいけれど、ハリーポッターの寮みたいというとよく理解してもらえる(笑)。
このnationが主催する大イベントの一つが“gasque(ガスク)”だ。言ってしまえばディナーショーのようなもの。煌びやかに装飾された会場で、コース料理を食べながら、歌を歌ったりステージを見たりする。ドレスコードがあって、みんなドレスやタキシードを着てばっちり決めて参加する!
みんなドレスアップ
はじめてのgasque
このnatrion制度はスウェーデンの中でも、ウプサラと南のルンド大学にしかない貴重なものだそう。12あるnationには、国内の地名がつけられていて、自分の出身地域のnationに入って同郷の友人同士が集まることが発端だったらしい。
gasqueは多くのnationが月に1度ほどのペースで開催する。ハロウィンverやクリスマスverなど種類は様々。gasqueの中にも独特の文化がたくさんある。
ナプキンリングもハロウィンver
その一つが歌。スウェーデン人は歌がだいすき。gasqueでは毎回15曲ほどの歌を歌う! gasque用の歌もたくさんあって、それらがまとまったソングブックがあるほど。会の終わりには近くの人たちとソングブックを交換してメッセージを残し合う。
スウェーデン語の歌がたくさん
メッセージを書いてもらっているところ
ごはんも前菜からメイン、デザートまでコースで出てくるし、お酒もビールからワイン、snapsと呼ばれる度数が強いショット用のものまで本当に充実している。
前菜のサラダ
メインのサーモン
デザートのケーキ
gasque自体は4時間ほど続く。ステージを楽しんだり、近くの人とお話したり、いつもとは違ってドレスアップして、ゆったりとしているけれどとても特別でゴージャスな時間なのだ。
寒くて日照時間が短い冬が続くスウェーデンだからこそ、室内での楽しみを追求したり、内側をキラキラと飾ったり、そうやって心を満たしているのかもしれない。初めましての人とも、近くに座って同じ時間を過ごすと、あっという間に仲良くなれて温かい思い出を共有できる。シャイと言われるスウェーデン人だけど、彼らが生み出した文化がとっても愛おしくて素敵で、誇らしく思えるな。
会の終わりにナプキンを回してみんなで歌うのもお決まり。
できるだけたくさんのgasqueに参加して、たくさん歌を覚えて、よりウプサラ生活をキラキラさせたいな。
それでは、またね!
アーカイブはこちらから
Tag
Writer
-
Sara
東京で暮らす21歳の大学生。バックパッカー、1人旅、スウェーデン留学…どんな場所にいても「なるようになる!」と信じて強くてハッピーな気持ちで旅を続けている。旅雑誌の編集経験もあり、一眼レフやフィルムカメラも大好き。異国のごはんを食べることも大好き。