行き当たりばったりバルセロナ奮闘記

Hola Barca! #1

行き当たりばったりバルセロナ奮闘記

Contributed by Miyu Fukada

Trip / 2020.01.29

逗子からバルセロナに活動の拠点を移し、現地での生活に奮闘する写真家Miyu Fukadaさん。彼女の行き当たりばったりで、面白さ溢れる新鮮な日々の様子を毎週水曜日にお届け!

#1

出発まであと4、5日になってやっと荷造りを始めた私。

目的地は「バルセロナ」。

いつもの旅じゃない。引っ越しだ!

海外への引っ越しは人生2回目。8年前にニューヨークに引っ越した時の手順なんか全然覚えてなくて、多分また8年前と同じようにドタバタしてるんだろうと思う。

「住むところは決まった?」

「仕事は何するの?」

出発前に会う友達からの質問に

「うーん、まだ決めてない!行ってから決めるよ~!」

と答える自分。

だって行ったことないところに引っ越すのに、行く前からどこに住むかなんて決められなくない?! 決めちゃったところが実際に行ってみてなんか違うってなったら嫌だし。「直感でこれだ!」って感じるところで住みたいし、そういう人と出会って仕事がしたい。

事の発端は約一年前、年末年始に行った初めてのヨーロッパ。

パリ→バスク→パリ→ロンドン→リズボン→フェズ→マラケシュ→エッサウイラ

と2ヶ月かけていつも通り予定は決めずに行きたいところに行ってみた。

ご覧の通り、ここにバルセロナは入っていない。

「あ、ここに住みたい」ってロンドン上陸の翌日に感じた。2019年の1月に帰国後直ぐ、イギリスのワーホリ抽選に応募した。1月の抽選に当たらず、7月の2度目の抽選にも挑戦したけど当たらなかった。絶望感はなく、ただ淡々と次のオプションを探し始めていた。イギリスのビザがもらえなかったから日本にいよう。っていう選択肢が自分の中のどこにもなかった。

「ロンドンは天気も良くないし、ポンドも高いし、現実的に違うのかも」となんとなく腑に落ち、太陽と海がある都市を探していた。
そこにパッと現れたのが「バルセロナ」だった。

それからは速かった。

昨年中に引っ越しは無理だと思っていたので時間を逆算。そして、ワーホリ申請の年齢制限である30歳をクリアし(誕生日が11月でよかった!)家の近所に住むスペイン人(奇遇にもバルセロナ出身)に書類の記入を少し手伝ってもらい、緊張とワクワクを胸にいざスペイン大使館へ!

が、私の出番になって開いた隣の窓口のおばさんはワーホリ申請に全然慣れてない様子。
必要書類にも書いてない「"保険"の書類はどこ?」と聞かれ、そんなの聞いてない……と思いつつ、隣の窓口の手際の良いおばさんがあくまでちょっと待って、書類をもう一度確認してもらった。

「一番重要なところじゃん!」という肝心なところをそのおばさんがこうした方がいいよと修正の仕方を教えてくれて無事終了。

3週間後にビザが発行されたのでパスポートを取りに来てくださいとのメールがきた。

それが11月の末のこと。

それから、今の今まで大々的な準備は何もしていなかった。

出発一ヶ月前にもなると、「本当にこれでよかったのかな?フリーランスゆえに好きなときにサーフィン行って、好きな写真の仕事で生活して……なんと贅沢で最高な生活を置いてわざわざ自分自身に挑戦しに行く自分は頭おかしいのかな?」

とか 色々自問自答の時期もあった。

マリッジブルー的なね。

そしていきなりやってきた当日。逗子のお世話になっている友達たちに見送られ出発! 

カタール経由でバルセロナに到着。長かった…。

マスクをした中国人もいて少し心配な長旅だった。

やっとのことでとうちゃーーーく!

イミグレでは、取得したVISAさえ確認がなく、いとも簡単に入国。

そして、家が見つかるまで泊まることにしたAir BnBへタクシーで向かった。

約束の時間より早く着きすぎて、待ち合わせ場所のBurger Kingでひたすら待つ。トイレにも行きたいけど荷物が多すぎて移動するのも大変で、しょうがなく我慢!

ようやくチェックインし、荷物を置いてトイレへゴー!

シャワーを浴びて身の回りを少し整えて、街へ繰り出す。

右も左も分からない街だけど、キョロキョロするのは厳禁。

あたかも何年もここに住んでるローカル化のようにスタスタと歩く。

ひたすら歩き、ピントくる路地を歩きついで、バルセロナらしい広場に到着。

古い建築とヤシの木というちょっと変わった組み合わせに目を慣らす。

まだこの新しい街の仕組みがよくわからず、ひたすら歩き続け、どこで何を食べようか思いつかず、あまり日本でもパン食をしていなかったので街に沢山あるパン屋にも食欲をそそられず…。

その日の夕方ビーチまで歩いた。数日前の嵐のおかげでビーチには沢山の瓦礫。

ビーチから4分の目星をつけていた家を見に行く。

良さそう。住んでいるのは皆ブラジル人。話も合うし、良い人たち。

でももう少し広い部屋が良くて、ほかもあたってみることにした。

会話も英語を話しがちで、スペイン語をお店に行かない限りあまり話していない。

やばい、もっと積極的に話さなければ!

いろんなところに行って、いろんな人に会って、まだ2、3日しか経ってないのにもう1週間もいる感覚。

出発数日前の不安はどこへ行ったんだ?! 想像もできなかった場所に私はいる。

その場所に身を置くと、あーだーこーだ言う暇はなく、やらないといけないことをただ淡々とこなす自分。

日本で少し鈍っていた「生きる」って感覚がまた戻ってきたみたい。

早く家決まるといいなぁ!



スペインっぽいオレンジの木。





まだまだ慣れない異国感。



冬はたまーに波があるらしい。ほぼ波がないなんてなんとも地元の逗子らしい。



キリスト教らしい光景。日曜の朝。飼い主たちが犬に洗礼を受けさせるために集まっていた。「犬からしたらなんだこの水は!」って感じなんだろうな。





パリに似た街並み。人の活気はパリよりポジティブ。お洒落度はパリより低め(笑)



夜電車の駅に突如現れる謎の物体。至る所にばらまかれている。なんなんだ?!



日曜に近所で行われていたお祭り?よくわからない。なんのお祭りなのか?!






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