True Feeling in Ireland #37
ビッグニュース多発
Contributed by Chika Hasebe
Trip / 2020.11.13
#37
家に帰るまでのバスの中が暇だから日記を書こう。
学校の友達のEnseoとついにGreystonesに行った。中距離列車のDartに初めて乗って、いつもは遠くてもDún Laoghaireで降りちゃうから、未開拓のエリアだった。あったのは小さな町とビーチだけだったけれど、この前行ったBrayの海よりも砂浜が良かった。
ここは結構有名なカフェで、雨でどんより天気でも混んでいた。
バイト帰り、夜の寒空の中バスを待っていると、老夫婦を見かけた。おじいさんの方がポケットからタバコを出し、火をつけておばあさんに渡す。その後自分のタバコにも火をつけていた。なんかこういうコミュニケーションっていいなって感じた。
最近、たくさんのことが起きた。しかも私にとって大きいことばかりだ。ジャパソの代表が通訳を探していた。日本人監督がダブリンで行われる映画祭に出席するためだった。そこで、なんでもやろう精神のわたしは立候補したわけだが、よくよく話を聞いているとどうやらわたしじゃふさわしくない感じだった。いつもなら「やってみないとわからない!」と勢いで進むけれど、最近の保守的な考えと、ジャパソの代表に迷惑をかけられないという思いで、気がついたら断っていた。それでもその監督の映画はもちろん、実際通訳するならどんな感じだったのか見てみたかったので、映画祭に向かった。
実はダブリンに来てから初めての映画館で、日本にいた頃も含めてほんとに久しぶりだった。その久しぶりの映画館で見た映画に感動して気づいたら1人で泣いていた。Netflixでいろんな泣ける映画を観たけど、やはり感情移入というか没入感が桁違いで、映画館の良さにあらためて気づかされた。映画のあと、監督の挨拶があり、そこで通訳も登壇した。完全にプロの通訳で、自分は初めて正しい選択をしたなと今回ばかりはなんの後悔もなかった。家に帰って、ホストブラザーのDavidにその話をしたら「通訳なんてできるわけねーだろ」って鼻で笑われた。ホストマザーのGerにも「さすがにそれは無理じゃない?」というニュアンスだったので、ちょっと悔しかった。
ところでその監督挨拶の中で、日本語と英語のタイトルの違いについての監督の説明になるほどと感心した。日本では、どういう映画か説明するように、文をタイトルにしたりするが、西欧では、鑑賞者に映画の内容を想像させるため、長いタイトルは好まれないらしい。そういうのに意識して映画を観てみるとまた面白いなって新たな発見だった。
今週のビッグニュースはなんといってもBall。最近はジャパソに行っても話題はそれで持ちきりで、ドレス買った? とか、楽しみだね〜とか浮き足立った感じ。当日はまずTheoの家に行って、集まった。でも予想以上にみんなが集まるのが遅くて、すぐ出発の時間に。ケイトが美容室でやってもらったヘアメイクが全然気に入らなかったらしく、泣きそうになっていた。全然私たちからしたら素敵だったけれど、本人にしかわからない気に入らないポイントってあるよね〜とわたしは自分の成人式の前撮りを思い出して、全力でフォロー。結局タイムアップになって、道中もずっとどうしようと困っていたけれど、今度はその様子にうんざりした彼氏が、grumpyになっちゃって、もうみんなてんやわんや。大学に着いてから2人は結局仲直りしていたみたいで、ケイトもみんなに謝っていた。バスが何台も貸切で大学に停まっていて、参加者全員がそこからさらにお城みたいな会場に移動。バスの中でもジャパソの人たちとギャーギャー言いながらあっという間に着いた。
Ballではファンシーなご飯がサーブされ、それが終わるともうみんなフリーで写真を撮ったり、お酒を飲んだり、テーブルを退けてまで場所を作って、どこからか降りてきたミラーボールの下でダンスを踊ったり、喋ったりほんとに自由だった。ジャパソだけじゃなくて他のサークルの人もいて、Georgetteは他の大学の彼氏を連れてきていた(笑)。
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Chika Hasebe
1998年生まれ。2023年5月よりロンドンに拠点を移し、報道記者の仕事に従事する一方、フリーライターとしてカルチャーについて発信もしている。