Alles Gute #7
みんな大事な人がいる
Contributed by meg
Trip / 2023.07.17
#7
語学学校で友達ができた。
たまたま最初のクラスで隣の席になったことがきっかけで、スイスから来たCynthiaとはすっかり仲良しだ。
クラスが終わって、テスト前日2人で勉強することになった。
クラス終わりにたまにランチして散歩をするのがいつもの流れ。
この日はCynthiaの買い物のためにスーパーについて行った。
Cynthiaがよく見かけるApfelmusを買っていた。
Apfelmusは瓶に詰められたリンゴのムース。
どう食べるのか聞くと、「フルーツと一緒に食べてるよ~」これは私の朝食! と教えてくれた。
フルーツにフルーツのムースを合わせて食べる感覚が新鮮だった。
そして昼食を作る流れで私の分も一緒に作ってくれた。
ハーブ入りのビーガンクリームチーズ、パプリカフレーバーのフムスに、パプリカパウダーで味付けした鶏肉、クスクスのサラダ、葉野菜のサラダを包んだトルティーヤ。
すごく美味しくて次の日も、自分で真似して作った。
ランチをしながら色んな話をする。
最近の授業のことや、ドイツの生活のこと、故郷のこと、パートナーのこと。
会話の中で私も寂しいけど、スイスはドイツから近いからすぐに帰れる。
でも日本は距離が離れていて寂しくない? と聞いてくれた。
私は正直、寂しくて日本に帰りたくなる時があることを話した。
寂しさがなくなるわけではないけど、Cynthiaも私と同じ様に寂しさを感じていると知って、少しだけ気持ちが軽くなった。
こっちに来て、色んな国籍の人に出会った。
語学学校ではそれぞれが色んな理由でドイツ語を学んでいる。
パートナーと一緒に生活をするため、家族を養うため、新しいことを学ぶため。
色んな理由はあれど、みんな大事な人を一番に考えている様に思えた。
私は、自分のパートナーを置いてドイツに来たので、外国から自分の大切な人と一緒にいるために、こっちに来る選択をしたクラスメイトを見ると自分の選択がこれであっていたのか少し分からなくなったりした。
Cynthiaの部屋の机に、パートナーとの写真が1枚飾られているのを見た。
クラスメイトの友達が、お母さんとの写真を携帯の待ち受けにしているのを見た。
大事な人が側にいてもいなくても、大事にしたい気持ちは一緒で、寂しさを否定する必要はない。異国で暮らす寂しさを抱えながら、みんな大切な人を想って前向きに生きている。
そう思ったら寂しい気持ちも、他のみんなと共有できる共通言語の1つになった気がした。
当たり前に寂しいよね! そんな会話。
寂しさを感じることはダメなことでもなんでもなく自然なことで、だからこそ自分の故郷の大事な人や今の生活での身近な人とのつながりをもっと大切にできるんだと思った。
寂しいのはしょうがない! 当たり前。みんなそうだ。
寂しくても大丈夫。道ですれ違う人が私と同じ孤独を抱えていると分かると、身近に思えてきてもっと仲良くなりたいと思った。
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