Between the waves #16
人間の本能って
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2022.01.14
#16
先週は1週間、毎日雨続きで雨季のバリとはいえ、降りすぎなんじゃないかと思うくらい。
やっとスッキリとした晴れの天気が戻ってきた金曜日、みんな外に出て陽を浴びている様子を見るとなんだかほっこりした。
それと同時に、これまでにないくらい青空と太陽があることに感謝した。
バイクが基本的に移動手段であるこの国では雨が続くと何かと不便が多い。
どこに行くにもびしょ濡れになり、湿気が多いこの時期は洗濯物がよく乾かない。
おまけに雨漏りも普通で色んなところが濡れている。
それに加えて、雨が降ると海の色が茶色に濁り気持ちよくサーフィンが出来ない。
ドライシーズンは太陽に照らされ暑すぎる毎日、少しでも雨が降ると恵のように感じた。
時には、涼しくなって欲しいがために雨が降って欲しいと願ったことも。
そんなことを考えていると人間は常に無い物ねだりをする生き物だと思う。
髪の毛が長いとバッサリ切って、ショートにしたくなる。だけど切ってしまうとロングヘアーが恋しくなる。
自由な時間が多いと何か新しいことをしたり、仕事をしたり常に忙しくしていたくなる。だけど忙しくなりすぎると自由な時間が欲しくなる。
毎日波が小さいとたまにくるスウェルが恋しくなる。だけど波が大きい日が続くと小さい波で和気藹々とサーフィンしたくなる。
何事もバランスが大切だけど多分、これって人間の本能なんだろうとも思う。
「今、目の前にあるものに感謝する」
すごく単純で簡単なことに聞こえるけど、これを実行し続けることはそう簡単ではない。
新しく手に入れたものも、ずっと住みたかった場所に住むことも、好きな人と一緒にいる時間も初めはすごく大切にし、かけがえのないものとして扱っていても
時間が経って、その状況に慣れてくるとそれが当たり前になり有り難みが薄くなる。
曇り空でも、雨が降り続いても変わらずこんな美しい景色を見せてくれるバリ。
こんな景色を日常的に見ると幸せを心の底から感じる。
今週はワクワクするような新しいプロジェクトのミーティングもあり、久しぶりに少し大きな波にも乗れて総合すると雨なんか降らなかったくらい良い日々だった。
雨でも少しでも気分を上げるために大好きなpoke bowlを食べに。
今読んでいる本、私たちが知らない間にしているいい習慣や悪い習慣について論理的に証明してくれる。
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。