Home sweet home 1

Vive les vacances ! ~Time to spare Heart to spare~ #12

Home sweet home 1

Contributed by Mizuki

Trip / 2023.02.01

Vive les vacation!=“バカンス万歳!”
バカンスを生きがいにし、「暮らし」や「人生」に豊かさを求めるフランス人の生活を表す言葉。そんなフランスに留学中の大学生Mizukiさんが、現地から仕事やお金に執着せず、日々の生活をどう楽しむか、豊かな暮らしを送るヒントをシェア。


#12

9月に入り、いよいよ新学期が始まる。でも授業が本格的に始まるのは二週目からで、それまでの一週間はまだ夏休みだった。この期間中何をしようか考えていた時、高校時代のホストファザーから連絡が来た。フランスに着いたばかりの私を心配し連絡して来てくれた。

「授業はいつから?」「いつでもうちに遊びにおいで、Mizuki の家でもあるからね」と。

この頃ホストファミリーが恋しくてたまらなかった。なぜなら、最初の数週間は自分一人でやらねばならないことばかりでホストファミリーの存在がいかに大切であったことを実感していたから。

そんな言葉に甘え、授業が始まるまでの間南仏プロヴァンスに里帰りすることにした。

リヨンからはTGV(日本でいう新幹線) に乗って Aix-en-Provence (エクスアンプロヴァンス)まで行く。所要時間は約一時間半。

いよいよ駅に到着すると、ホストファザーが迎えに来てくれていた。高校時代初めてプロヴァンスに到着した時もその駅でファミリーが迎えてくれた。今回も仕事の合間を縫ってわざわざ来てくれた。コロナ禍で渡航ができず最後に会ってから数年経ってしまったが、変わらず私を “ma grande”(=私の長女、娘)と呼んだ。その瞬間、環境が異なる場所に一人でやってきたストレスや寂しさから急に解放されようにホッとした。

家に着くと、太陽に当たりキラキラ光る葡萄が見えた。その時「プロヴァンス」に戻って来たことを実感した。


家のテラスで育てられている葡萄。




家のポストには、ホストファミリーの名字と共に私の名前「Mizuki」がまだ添えられていた。私が5年前この家に着いた時からずっと付けてくれている。

家に入ると、起きたばかり(もうお昼くらいだった笑)のホストシスターが私を待っていた。私の7歳下の14歳。前回会った時はまだ小学校生で小さかったのに私と同じくらいの身長になっていた。会った瞬間ギュッとハグしてくれた。

実はもう一人ホストシスターがいるが、(一歳下のナイス)その時パティシエのインターンで地元のパン屋で働いていた。なので彼女の仕事が終わる時間に合わせパン屋までサプライズで迎えに行くことにした。

パン屋に着くと、奥の方で作業するナイスの姿が見えた。彼女は一年前まで大学で日本語を選択していて日本語や日本文化に興味を持っている。以前「日本でパン屋を開きたい!」と私に語っていたので、その夢に向かって努力している彼女の姿を見れて嬉しかった。

可愛いホストシスター達にもやっと再会できた。私は日本では末っ子で、親戚内でも私が一番下。だからずっと妹的存在が欲しかった。でもその夢がフランスで叶った!初めてホストファミリーの家族構成を聞いたときは飛んで喜んだのを覚えている。

ホストマザーは?というと、その日は仕事でフランスにいなかった。彼女はキャビンアテンダントで世界中を飛び回って仕事をしている。前回の留学でも週の半分は家にいないことが当たり前だったので、その日ホストマザーは家にいないと聞いても驚かなかった。彼女は私の憧れのキャリアウーマン。帰ってくるのが楽しみ。

この日は隣に住むおじいちゃんおばあちゃん (ホストファザーの両親)にも再会することが出来た。私は彼らのことを Mamie, Papi (ばあば、じいじ)と呼べるほど距離が近く、留学中の心の拠り所でもあった。孫の様に私を可愛がってくれていた。そんな彼らに再会した時は感動で泣いてしまった。



日向ぼっこをして気持ちよさそうに寝ていた猫のテルマ。この子とも久々の再会。

このように久々にフランスの家族に再会したのだが、昔と変わらず温かく迎えてくれた。家の中には5年前の思い出が写真などでまだ沢山残っていて、私にとってはもちろん、ホストファミリーにとっても思い出深い一年だったと思うと感慨深い。


家の所々に私の写真が残っていた。



5年前筆ペンで書いた名前のメモ。



続く

À bientôt!


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