As I Like It #20
夢みたいなお庭ランチ
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.04.22
#20
今日の予定は昼からだけれど、天気がいいからかこの日は珍しく朝早くから起きてしまった。
何しようかとストレッチしながら考えていると、大切なことをひとつ思い出した。そういえば、ずっと窓の掃除をしたかったんだった! なんて言ったって、部屋の正面には一面大きな窓があるから。
掃除機は暇さえあればかけていたけれど、窓掃除は少し大掛かりなように感じていたから、引っ越してきてからは一度も掃除をしていない。
ゴソゴソと掃除をしているのに気付いたのか、タイミングよく一緒の家に住むアニータが掃除用具を貸してくれた。なんと手袋まで。ありがとう、アニータ♪ いつも気にかけてもらってばかりの私。私にとって間違いなくイギリスのmomなんだ。
少し気になっていた窓の外の蜘蛛の巣も、これで綺麗さっぱりお別れ。晴れの日に掃除するのって気持ちいい!
ピカピカになった大きな窓の横で、爽やかな気分と共に支度を済ませる。これから引っ越したばかりの友達の家に向かう。
カラフルな家が立ち並ぶこの道も、いつも以上に鮮やかだ
友達のお家は中心から少し離れているものの、広くて大きな庭があるみたい。家を見に行くついでに、みんなでご飯を作ってホームパーティーをする予定だ。
初めて降り立つバス停から10分ほど歩いたところにある、少し田舎のお家。お花に囲まれていて、大きなピンク色の紫陽花が玄関で出迎えてくれた。
紫陽花の花言葉は「元気な女性」だよ。と友達は教えてくれる
素敵な花言葉。日本では梅雨に咲くイメージがあるけれど、そんなときに暗い気分をパッと明るくしてくれるからとっても好きなお花。
どうやら友達のシェアメイトたちは大雑把で掃除が苦手みたいだ。入ってすぐに勘づいた私たちは早速部屋の片付けにとりかかる。少し綺麗になってから、やっと料理スタートだ。
トルコ人の友達が伝統料理をつくると張り切ってくれていた。お母さんとビデオ電話をしながら作り方を細かく確認してくれている。材料はとっても少なくて、これだけ? と最初は思ったけれど、あっているみたい。普通のスーパーでは手に入らないから、わざわざグリーンチリをトルコスーパーで買ってきてくれていた。その本格さに、胸が躍る。
キッチンが狭いからダイニングテーブルで。狭くてごめんね(笑)
キッチンでも同時進行
私たちも少し手伝いながら、横で唐揚げを作ったり、パスタを用意したり。
でも問題が一つ。それは大きなフライパンが一つしか無かったこと! 同時に炒めたり揚げたりしたかったけれど、ひとつひとつ順番にこなしたから、思ったより時間がかかってしまった。ランチのはずが気付けばもうすぐ16時に……
でもその間にみんなと料理のことを話したり、恋バナができたからオールオッケーだ(笑)。
出来上がり!
時間がかかったからみんなお腹ぺこぺこだ。早速お庭のテーブルに運んで、みんなで乾杯をする。太陽の下、みんなで時間をかけて作った料理たちは陽に照らされているからか、とても美味しそうに見えた。
友達が作ってくれた料理「メネメン」
友達が作ってくれた伝統料理はトルコの朝食の定番だったみたい。トルコ風スクランブルエッグといった感じで、中には卵、チリ(ピーマンでもOK)、トマト、玉ねぎが煮込まれている。
味付けはとってもシンプルで、オリーブオイルと塩だけだ。フランスパンにメネメン、そして少し塩気のあるフェタチーズも一緒に。味は全く想像できなかったけれど、パクッと一口食べるとこれが絶品。あまりの美味しさに感動が止まらない! 友達にレシピを確認して、ノートにメモしたくらいだ。日本でも材料は揃いそうだし、簡単だから絶対に作ろう!! みんなにもぜひ食べてもらいたい。
トルコに行ったのになぜ食べなかったんだろう、ととても後悔した。
みんなとゆっくり話しながら他の料理も食べて、カードゲームのUNOをしてから家に帰った。もちろん他の料理もとっても美味しい。日本の唐揚げもうまく出来て満足だ。
家について部屋の窓を覗くと、とっても綺麗な夕焼けが見えた。この大きな窓からの景色はずっと眺めていたくなる。
朝から窓をピカピカに磨いたところだから一層綺麗に見えたのかもしれないな。
ひと休みしてから、お風呂に浸かって寝よう。今日はとってもよく眠れそう。
つづく。
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。