Alles Gute #9
Japanerin in Deutschland
Contributed by meg
Trip / 2023.12.11
#9
友達の紹介で、Düsseldorfで初めてまりこちゃんに会った。
彼女は、Bochumという街で大学生をしていて、もう10ヶ月ドイツで過ごす先輩だ。
ハスキーな声と、カラッとした笑い方が素敵な子。
ドイツにはもう慣れた？ と聞くと、
慣れるとかないと笑っていて、異国に住む楽しさと大変さをちゃんと分かっている人だと感じた。
私たちは初めてあったとは思えないくらい、色んな話をした。
ドイツでの生活が刺激的であることは、2人とも一緒だった。良いこと、最悪だったこと、どっちも。
ドイツ人は、日常を充実させることに長けている。
生活と仕事のバランスがちゃんと取れていて、仕事以外のプライベートの時間を大切にしたいと考えている人が多い。
平日の夕方や休日は、家族で散歩をしたりカフェやKneipeで恋人や友人と時間を過ごす。
そういう時間を大切にしているから、みんなリラックスしているし、自分以上になろうとしてない気がする。
そして同棲までのスピードがめちゃくちゃ早い（笑）。
好きな人の近くにいたいから当たり前じゃん？ みたいな理由のシンプルさと、同棲までのスピードにはもちろん驚くものもあるが、あれこれと難しいことを考えるんじゃなくて、一緒に住みたいなら試してみればいいじゃんというそのスタンスはいつもいいなと思う。
ドイツ人は冷たい、頭が硬いとよく形容されるけど、実際そんなこともないんじゃないかと思ってる。
ベタベタ慣れあったりはしないけど、目的が分かれば助け合いの精神で人の話を親身になって聞いてくれる人も多い。
悩みを軽く話しただけで、どうした話聞くよ？ お茶でもする？ って自分のことより真剣に悩みを聞いて一緒に考えてくれる感じ。
Düsseldorf の駅から少し離れたところにあるカフェ。ケーキ、クッキーがズラーっと並んでいた。
ここまでいい所を書いてきたけど、決していい所ばかりじゃないのも本当のところ。
ドイツは働く側にとってはすごくいい場所だ。
ワークライフバランスはきちっとしているところが多いし、お給料も良く、外国人雇用者も多く受け入れていて働きやすいと思う。
その分サービスを受ける側になると色んな問題が出てくる。
業務外の仕事をしない、休暇をしっかり取る、なんて素敵な考え方なの！ と思っていたことが、裏を返すとサービスの質の低下になっていたりする。
手続き系は問い合わせの連絡をしてから返信まで1ヶ月待つこともあるし、窓口の対応者で対応が変わるので運ゲーとしか言いようがない。
とにかく戦わないといけなくて、ドイツの人でさえこればっかりはやっかいに感じている（笑）。
その分、自分でなんとかする能力は身につくし、サービスを受ける側にも責任があるという姿勢は、提供してくれる側だけに責任を押し付けちゃダメなことを教えてくれる。そういう意味では健全な所もあるんだけど……。
そしてドイツ人は、基本直接的だ。
思っていることをはっきり言うことで関係が深まって、スムーズに行くっていう考え方。
ドイツの人とコミュニケーションの文化の違いについて話したときに、
「感情を表に出さないで、あなたの感情はどこに置いておくの？」と言われて、目からうろこだった。
負の感情を出すことは悪いことだと思っていたけれど、ドイツの人からしたら抱えておく方が不健康だし、言わないと分からないじゃんという感じらしい。
そう言われるとまあ確かにその方が、健全なような気もしてくる。
川沿いでポテトを食べた。友達と食べながら外で話すのがなんだかんだ1番幸せな時間。
私はドイツに外国人としてきたのだから、自分をドイツの文化やメンタリティーに合わせていかなければいけないと思っていた。
だから彼女がドイツのここはあんまり好きじゃないときっぱりと言う姿がすごくカッコよく思えた。
私達は確かに日本から来た外国人で、ドイツの人のことを理解する必要があるんだけど、そこに合わせる必要は全くなくて、ここが良い悪いと思うことも私達に当然のようにある自由なんだと気付かされた。
自分にとって受け入れられない文化や考え方も含めて、そういう文化なんだ、そういう価値観もあるね、がお互いにとって一番幸せでいられる形なんだと思う。
ドイツで“日本からきたまりこちゃん”としてしっかりと立っている姿に、ハッとさせられた。
どこに住んでいても日本人としてそこにいていいんだと思う。
ドイツに住む日本人メグとマリコより
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