This Time Tomorrow #23
自分の目で
Laos / Luan Prabang
Contributed by Natsumi Chiba
Trip / 2019.08.27
日本のATMってカードを入れるときも、出てくるときも素早く機械のなかへ行ったり来たりをして、下ろしたお金と同時にカードが出てくる。さらにはピピーンと音を鳴らして、取り忘れないでと私たちに教えてくれるけれど、海外のATMってなぜか、ズズッ・・・ズズッ・・・っと遅い(ものがかなり多い)。お金が出てきてからカードがなかなか出てこなくて「あれ?!」と焦ると、時間差でゆーっくりと出てくる。
だから、いつも通りの日本のリズムで、例えば電車に乗る寸前にお金をおろすというようなクイックさで海外のATMに臨むとイライラしてしまうから要注意だ。
結局私のカードはATMのなかに入ったままだったようで戻ってきた。もちろんロバートのも。多分私はそのゆっくりさに負けてカードを取ってお財布に入れたと思いこみ、ATMを去ってしまったんだと思う。完全に気がぬけていた自分に反省。
とにかく盗られていなくてよかったけれど、戻ってきたカードは止めてしまったからもう使えない。手元にあるのは約2万円分のラオスキップ。ここまでミャンマーでお腹をくだした以外は順調に旅を続けてこれたけど、この事件は今だお腹の調子が悪い疲労しきった私の気持ちを完全に日本へ向けさせた。
ラオスを出るまであと14日間。飛行機は首都ビエンチャンから成田へ飛ぶ。
ルアンパバーン最大の名所は言わずと知れたクアンシーの滝。みんなその滝を目当てに、この街へとラオスへとやってくる。
写真で何度も見たことあったけど、実際に見た方が100万倍綺麗だった。絵の具を水で溶いたようなみず色。大小細かな粒になって流れる白い水しぶき。岩場が自然につくりだした水の流れや木々の隙間から入る木漏れ日まで、まるですべて狙っているかのような美しさ。
しばらくぼーっとしてしまうくらいに綺麗な場所だった。
この滝をみていたら、”東南アジア慣れ”なんて恥ずかしい贅沢だと思った。
インターネットを開けば何も分からないことはないくらいに、気が遠くなるほどの情報が自分の周りにあるけれど、それを鵜呑みにしたり、解釈の方法を間違って自分から遠ざけてしまうと、巡ってくるはずの素敵なチャンスや出会いを逃してしまうかもしれない。
やっぱり自分の足で動いて自分の目で見るまではコトは語れないんだって思った。百聞は一見にしかずという言葉はまさに旅そのものを表しているのかも。
世界には自分がまだまだ知らない、こんなにも綺麗な場所がたくさんあるのかと思うとやっぱりやめられないよね、旅って。
To Be Continued.
BGM : Wonderful World / Sam Cooke
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Natsumi Chiba
神奈川県茅ヶ崎在住。20歳のときにいったオーストラリア留学がきっかけで旅にハマる。最近はジャンクのフィルムカメラで写真を撮り始める。好きな音楽はレゲエなど。