Beginning of my new Life #21
インターナショナルフェスティバル
Contributed by Asuka Naka
Trip / 2024.04.17
今回からは番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け。
いつも通りに何かイベントがあればすぐに誘ってくれるホストマザー。この日は州都のローリーでインターナショナルフェスティバルがあるという。インターナショナルフェスティバルと言われなんだか面白そうだと興味本位で誘いにのるものの、果たしてどういったタイプのフェスティバルなのだろうか。
実はアメリカには様々な国の人がいることもあり、色々な種類の国際的なフェスティバルが存在する。韓国ブームだからか、韓国フェスティバルもあるのだ。韓国フェスは真ん中にある舞台でK-POPを踊るダンサーがいて、サイドには韓国の食べ物を売る屋台があって、韓国のグッズを売っていたり、習字でハングル文字の名前を書いてくれたりなど、その国の文化に触れられるイベント。
この時訪れたインターナショナルフェスティバルは全世界のものが集まっているイベントだった。真ん中の舞台では、各地それぞれの民族衣装を着て、その国の伝統的な踊りを踊る。それもアメリカに住んでいるヨーロピアンの子供が踊っていたりして、その光景はとても興味深いものであったと同時に、とても素敵だった。私もよさこいなり、三味線なり、日本らしいことを披露できたらかっこいいなとその時感じた。
そしてジャパニーズブースもあった。私は久々の日本にとても興奮した。そこではたこ焼きや焼き鳥などの屋台飯を販売していて、日本人らしき人もいたので、話しかけてみた。どうやらその人はノースカロライナの大学に留学に来ているらしい。海外で日本人に会うという経験はこれが初めてだったので、とても嬉しかった。
ホストマザーにも「これ日本食だから食べてみて!」と勧めて食べてもらう。「美味しい」と言う言葉が返ってきて少しホッとした。国によって味覚も異なるが、ウクライナ人のホストマザーとは何だか味覚が合うと感じだしたのもこの頃だろう。
その後フランスやオランダ、メキシコなど色々なブースを巡り、各所で記念撮影を撮り、小話をする。どこのブースに行ってもそれぞれが母国を誇りに思う気持ちが伝わってきた。
この時、日本を離れて初めて感じた母国という概念。今までは当たり前に日本にいて、当たり前に日本食を食べて、当たり前に日本語を喋っていた。その全てが一気に当たり前ではなくなり、今まで当たり前と感じていたことがどんなに豊かであり、どんなに狭いものであったのかを感じる。昔、国語の授業で習った“井の中の蛙大海を知らず”とはこのことだったのだろうか。国語の授業の大切さをも身に染みた。
日本という小さな島国の中で、日本のここが嫌だ! と嘆いて、大国アメリカに踏み出した。しかしそこでは一歩踏み出さないと気づけなかった日本の良さがどんどん分かるようになっていった。電車が当たり前に走っていることのすごさや、天候に左右されない電気の整備や、ポケットに携帯を入れていても盗まれないことの有り難みをひしひしと感じる。
そしてそんな日本が自分の母国だということへの誇りを覚えた。そしてこの数年後、ロンドンで行われたジャパンフェスティバルのブースにスタッフとして参加した私であった。
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Asuka Naka
湘南出身、イギリス在住。アメリカ高校留学を経験し、イギリスの大学に進学。高校生から旅人デビュー。現在はヨーロッパを拠点に旅する真面目大学生。海外生活、旅をトピックにシェア。