探し物

This Time Tomorrow #21

探し物

Laos / Luan Prabang

Contributed by Natsumi Chiba

Trip / 2019.08.06

東南アジアでの旅を記録した千葉夏海さんの旅連載「This Time Tomorrow」。第21回は、ラオス/ルアンパバーン編です。旅先でのリアルな様子をお届けします!


20日間のミャンマーの旅を終えて、ラオスのルアンパバーン空港に到着した。
空港にあるATMでお金をおろし、シムカードを買って乗り合いタクシーに乗り込んだ。

初めて聞くラオ語はよく聞くとほぼタイ語。日本で言う方言くらいしか違いがないらしく、文字もそっくり。ミャンマーに着いた日とは180度違う、ほっこりした気持ちになった。

ホステルの受付の男性は寝ながらYouTubeを見ていて、私が来たら起き上がってチェックインの作業をしてくれた。彼のくたっとしただらけた雰囲気につられて私もつい同じような気持ちになる。街全体がいい意味でヤル気のないオーラを放っていた。



シャワーを浴びてテラスにあるカウンターに座る。携帯で調べ物をしながら、水を物凄い勢いで飲んでは、何回もトイレへ行った。

実はミャンマーを出る2日前に食あたりになった。朝から身体がだるくて、きっと暑さと疲れだろうとたかをくくっていたら夕方から本格的に始まった。熱がでて、トイレとお友達になって、ポカリがこんなにも美味しいドリンクだと初めて知ることになった。翌日には大分回復したけど、まだ全快ではない。結局何にあたったのかはよく分からないけれど、とにかく清潔さを求めるのことの難しいミャンマーなので仕方がない。

そんなこともあって、ルアンパバーンに着いた今日はかなり疲れていた。調べ物をしていてもテンションが全然上がらない。正直「ここはこんな感じなのかなぁ」とある程度予想することが出来てしまう自分がいたし、ワクワクを発見する直感レーダーも鈍っていた。ついに恐れていた東南アジア慣れが始まったようだ。

ラオスのあとどこに行くかも、日本に帰るかも何も決めていなかった。とりあえず飛行機を色んな日程で色んな場所から調べていた。日本行きのフライトも含めて。まだまだ旅はしたいし帰りたいわけではないけれど、ピークに達した疲労が私にスカイスキャナーのページを開かせた。

ふとお財布を手に取る。ジップを開けた瞬間に分かった。
一枚少ない。目を思いっきり見開く。

旅資金が入った口座からお金を下ろすのに使うデビット機能付きキャッシュカード。大量の日本円やUSドルを持ち歩きたくないので、私は両替よりATM派。そのカードが見当たらない。

急いで部屋に戻り、ないことはわかっていたけどカバンのなかを探した。
「ありますようにありますように。あった~はぁよかった」と安堵する自分を想像したけど、そこにそんな自分は居ない。

「ATMに忘れたんだ」と確信にかわりホステルを出て、大急ぎでトゥクトゥクをつかまえて空港に戻った。

To Be Continued.


BGM : Lust For Life / Iggy Pop


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