
Couch Surfing Club -西海岸ロードトリップ編- #15
Road trip gone wrong
Contributed by Yui Horiuchi
Trip / 2022.11.10
#15
旅の疲れや時差ボケのせいだと自分に言い聞かせて、道中徐々に体調が悪化していくのを不安に思いながらも手持ちの簡易検査キットの結果を頼りに、最初の滞在を楽しもうとしていた時だった。
友人の家の裏にあるタップバーでこの時期大好きなヘイジービールで乾杯するも、喉に違和感が。
痛いような乾いているような。
気のせいだと思いビールを勢いよく飲み干した。

味ははっきり言って美味しくない。
先にグラスを空けてしまい、つまらなさそうに濡れた鼻でベンチに絵を描く犬を眺めながら友人のグラスに残ったビールがなくなるのを待つ。
帰宅後も収まらない悪寒に節々の痛み。
前日筋トレしたせいか?
急な気温の変化に体がびっくりした?
スムージーの生姜がキツすぎた?
要因が色々思いつくがコレという感じがしなかった。

ソファでもベッドでも心配して犬が寄り添ってくる。
熱が38度まで上がり、オンライン診療を受けることになった。
諸症状を告げると「ほぼコロナで確定でしょう、地元の薬局でいいから抗原検査キットを買って。陽性だったらこれとこれとこの市販薬を」
言われた通りCVSで購入した検査キットで早速テスト。

昨日までのテストでは陰性だったのに。
使うテストキットでも結果にムラがあるとは聞いていたけど、まさにこのことかと思い知る。
ほぼ入国時が感染時期と見て間違いなさそうだ。
一連の出来事を見ていた友人が「Welcome to America!」と冗談で笑い飛ばす。
体調不良の原因が分かり少しは安堵した。
しかし、これが初めてのコロナ感染。
まだこの時は一週間でロードトリップに再出発、どころではないこととは知る由もなくインフルのようなものだし、薬を飲んでよく寝たら数日で治るだろうと甘く考えていた。
出鼻をくじかれる、とはまさにこのこと。

予期せぬ自宅療養の幕開けとなった。
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Yui Horiuchi
東京を拠点に活動するアーティスト。幼少期をワシントンD.C.で過ごし、現在は雑誌のイラストや大型作品まで幅広く手掛ける。2015年に発表した「FROM BEHIND」は代表作。自然の中にある女性の後ろ姿を水彩画で描いた。自然に存在する美や豊かな色彩を主題にする彼女の作品は海外でも評価されている。












































































