True Feeling in Ireland #9

頭で考えること、実際のこと

Contributed by Hasebe

Trip / oct.11.2019

藤沢在住の大学生、長谷部千佳さんの連載「True Feeling in Ireland」。あらゆることになぜを問いかけ、好奇心旺盛に活動する彼女。留学先のアイルランドでの日々の中で、感じ、考えたことを日記形式で綴っていきます。


#9

家に帰るまでのバスの中が暇だから、日記を書こうと思う。

今日は9月最後の日。アイルランドに、ダブリンに、そしてこの家に来てから1ヶ月が経ったということ。朝起きて、ホストファミリーのDavidに何気なくメッセージしたら、パンケーキを作ってもらえた。そう、今までパンケーキといえば、分厚くてふわふわが醍醐味というか当たり前だと思ってたが、アイリッシュにとって、パンケーキは薄いクレープみたいなものらしい。というよりも、薄いパンケーキがクレープなのか、そもそも。とにかく彼らにとってのパンケーキは薄いものであって、軽くカルチャーショック。わたしが当然だと思っていたタイプのパンケーキは「それ、アメリカンスタイルだから」と軽くあしらわれたのだった。

ひとつの国の文化が、まるで西洋の文化を代表しているかのように日本に入ってきて、そのまま日本に根づいて当たり前になっていることって少し怖い。決して悲観的になっているわけではなくて、ただただ代表選手として日本に入場することで、他の選手が見えにくくなってしまうのがもったいないなと思った。それに、代表選手だけを見て、それ以外を受け付けないというかイレギュラーとして見てしまうのもちょっと違うのかなとも思った。



色々とごちゃごちゃ考えつつも、ホストファミリーとの会話が特に弾んだわけでもなく…。朝は人と喋るの苦手だなあと思ったけど、後々考えてみると、別に時間の問題ではなく、相手が何人かとか、場面によるのかもしれないという結論に至った。相手が1人なら必ず向こうは聞いてくれるけど、たくさん人がいると、発言するタイミングを自分で見つけないといけない時がある。ホットな議論が交わされている時は特に。みんな自分の意見は言いたいもんね。その気持ちは、十分わかる。





お昼は、市街地で開催されているkilo saleに行った。このイベントは、古着の値段がアイテム単位ではなく、重さ単位で決まるシステムのため、一度に安くまとめ買いできる。街のあちこちで開催されている定番のイベントだ。アイルランドに来てから、ものすごく寒いのに服が全然ないという緊急事態だったため、とにかくたくさん買った。買ってから気づいたけど、案の定何枚かは絶対に欲しかったわけではない服。衝動買いはやっぱり良くない。帰りのバスで、両手がたくさんの服が入った大きな袋で埋まっていて恥ずかしかった。

家に帰ると、ホストマザーのGerと結構うまく会話することができた。やっぱり自分の英語力が少しは成長したのかなと思ったけど、ただ自分のことについての紹介とか場数を踏んだトピックだからだと気づいてしまった。もっと深い話になってくるともうお手上げだ。やっぱりまだまだ言語力が足りない。最近少したるんでいたので、来週からはリスニングに集中するため、NetflixでGossip Girlを観ようとルーティーンを設定。あと、プレゼンの準備もしなきゃ。

週明けの授業はいつも教えてくれているSandraの代わりに別の先生が担当した。生徒にたくさん英語を話す機会を与えてくれて、話したいなら話したいだけ話しなさいという先生のスタンスにとても共感した。逆に言うなら、自分から話す機会を取りに行かなきゃいけないというスタンスも、なんとなく緊張感があって新鮮だった。



放課後買い物に行く時、Davidが車を出してくれた。その時にわたしの思いを伝えるチャンスをくれたのに、結局その機会をうまく活用できなかった。それに対する自己嫌悪が大きくて、なぜかわからないけど、スーパーからの帰りは歩いて帰るって言い張り、Davidには先に帰ってもらった。車だったらすぐに帰れるのに、歩いてみたら思ったよりも遠すぎて、強がったことを後悔。ペットボトルなどの重さのあるものをまとめ買いしたから、筋トレみたいになってとても大変だった。もう二度と歩かないと心に決めた。家に着いたら、案の定ホストファミリーのみんなに笑われてしまった。



ホストの親戚で看護学生のRionaが最近一時的に家に住み始めて、今夜はRionaも家にいたので、わたしは、透明人間のように極力気配を消して夕飯を食べていた。家族の閉鎖的な関係とかそういうのにどこまで踏み込んでいいかわからないし、みんな久々のRionaとの再会でとにかく話題が尽きない。それにRionaの会話のスピードが早いのと、アクセントのクセが強すぎて、まったく理解できない。こんな時、どうやって振舞ったらいいかわからない。とにかく全然わからなかった。これはいつまで続くのかな。なんとかしなきゃ。

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