
To Me, Somewhere in the World #45
見上げる喜び
Contributed by Yoko
Trip / 2022.09.21
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#45
変な写真を撮りたくて、よく上向きの写真を撮る。屋外でも屋外でも。見上げる角度からの森羅万象や、屋内からの天井を。見上げることは面白い。


海外では美術館に行きたくなる。多分、天井も楽しいからだ。
所狭しと飾られた装飾や隅々まで描かれた絵に、初めて見たときは驚愕した。見るところが、ありすぎる。
美術館について言えば、全体の雰囲気としてはイタリア・フィレンツェのウフィツィ(Uffizi)美術館が一番好きだ。展示も好みだが、回廊が良い。
バチカン美術館は、内部のあれこれはもちろん良いが、エントランスのらせん階段が一番好きだったりする。

スマートフォンが普及する時代になる前に初めて訪れたフランス。友人と、印刷した路線図や地図を頼りに、何とかたどり着いたヴェルサイユ宮殿。そこで見た展示の数々と、豪華な天井装飾はいまだに印象に残っている。館内に「ごった返す」の表現がぴったりなほどの大衆がいたこと、そして広大すぎる庭の広さも、とても忘れられないのだけれど。

ただの天井だけれど、なぜかとても神秘的。規則性のある美しさも魅力的。

規則的な美しさで言えば、アメリカ議会図書館の天井も。世界最大規模の図書館は、内装のこだわりもすごかった。

日本で一番好きなお寺、永平寺。何が好きって、天井が良い。寺全体の雰囲気もすばらしく、お邪魔するたびに隅々まで歩き回ってしまうほどだが、割と最初の方に現れるこの広間がよい。一つ一つ違う絵を見ながら、何人もの見物客が通り過ぎ去るまでぼうっとする。

天井ではないけれど、見上げた先にある装飾。これが見たくてポルトガルまで行った。よく見るこの場所以外にも、様々な柄の傘が装飾されているエリアがあって、街全体でイベントを盛り上げているのが興味深かった。
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屋内も屋外も、見上げてみれば何かが見つかるかもしれないよね。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。









































































































































