ライアン・スコット・グラハム結婚したってよ

It's Not About Me. It's About My Friends. #12

ライアン・スコット・グラハム結婚したってよ

Contributed by Sho Mitsui

Trip / 2023.09.26

アメリカ国内に謎のネットワークを持つ元英語教師・現カルチャーコーディネーターの三井翔さんがお届けする、彼にしか綴れない「旅行記」。今回、2年ぶりのLAへ旅立った目的は友人の結婚式! 名だたる面々と共に過ごす奇想天外な日々の様子、ハッピーなムード溢れる結婚式の様子をお届け。




着替えて、指定された住所に到着すると既にウェディング感満載のバイブス。会場はどう考えてもここに間違いない。元教師の僕的にこの様なイベント事には30分前行動が基本だ。来客の姿はまだ、見られない。



こんな感じで入り口からハッピーモード全開! アメリカのプライベートウェディングは2回目だが、日本とは全然スタイルが違うのでワクワクが止まらない。



いわゆるガーデンウェディングなのだろう。会場は一軒家がイベント用に改装されたっぽい所だった。ガーデンも広々だし、小さなカワイイ池もある。天気にも恵まれ、最高の環境でアットホームな結婚式が期待できそうだ!



座席表をチェック。僕のテーブルは"mesa 4"だそうで、Speak Lowでベースを弾いてるCodyやState CampsのドラマーEvan、そしてその奥さんらと同じグループだ。会場に入ってまず目に入ったのが彼



Paul Cherry!「Paul! 久しぶり!今日はDJ担当なんだね!」僕が興奮気味に話しかけると、「そうなんだよ!実は俺、週末はプロのウェディングDJをしてるんだよね。だから今日のセットは俺からRyanへのウェディングプレゼントさ!」とPaul。彼はソロアーティストでインディー界隈では名の知れたミュージシャンだ。以前はRyanのSpeak Lowでツアーギターリストを担当していた。日本で僕のバンドALTERNATIVE MEDICINEとSpeak Lowが東名阪ツアーをした時に仲良くなったのだ。
当時、Paulはソロアーティストとしては駆け出しだったのだが、約6年ほどですっかりプロミュージシャンの仲間入り。リスペクトだ。



続々と友人達が入場し始めた。左がSpeak Lowではベースを務め、State Champsのツアーで物販を担当するCody。彼とは彼が1人で日本に遊びに来た時にいろいろ一緒に回ったり、Speak Lowの日本ツアーで一緒に過ごした仲だ。久々に会えて本当に嬉しかった。右はNeck Deepを2018年に脱退したFil Thorpe。Filには2017, 2018年とNeck Deepのアメリカツアーのバスでお世話になったし、2018年のNeck Deep日本ツアーはALTERNATIVE MEDICINEが全箇所帯同したので、沢山一緒に思い出を作った仲。彼とも5年ぶりの再会だったので久々に話せて良かった。今はプロデューサーやDJ、ツアーギターリストをしつつ、World's First Cinemaというプロジェクトでも活動しているそうだ。真ん中はこの日初めて会った、アーティストマネージメントやパブリシティーを務めているKaty。



こちらは元The Story So FarのKelen。2022年の5月に突然の脱退が発表されて世界中のポップパンクファンがショックを隠しきれなかったはずだ。何せ、The Story So Farの顔はKelenと言っても過言ではなかった。インタビューなんかほぼ彼が1人で答えてたし、広報的な活動も彼がメインだったのでは?という程、他のメンバーはPRに無関心だった気が……。ベーシストとしても素晴らしいし本当に勿体無い!という気持ちは強いが、本人も今はセッションミュージシャンとして伸び伸びと暮らしているようだ。元気そうで安心した!



お次に登場したのはElliott!彼と出会ったのは彼が20とか21歳位の時だったんじゃないかな?ちょうどState Champsのツアーカメラマンとして活躍し始めた頃にRyanを通して知り合った。彼とも僕は特別な時間を過ごしていて、RyanとElliottと一緒に直島、豊島旅行に行ったし、アメリカではState ChampsのバスでもNeck Deepのバスでも一緒にツアーした。そして、ALTERNATIVE MEDICINEのMVを2曲撮影してもらったし、ALTERNATIVE MEDICINEとSpeak Lowの日本ツアーのドキュメント映像や写真は全て彼によるものだ。僕はElliottの写真が大好きだ。あのポップパンク界隈のオレンジがかったフィルターの写真は彼が流行らせたものだ。その後彼はBlack Bear, Jaden Smith等の大物アーティストのツアーフォトグラファーを務め、今はFall Out Boyの専属フォトグラファーとなった様だ。そして2児の立派なお父さん。僕とは年齢が一回りも違うのに全くたくましい! そして、ジュエラーとしても活躍している。創造力と才能に溢れているElliottにシャウトアウト。



もちろんRyanのバンドメンバーもいた。State ChampsのドラマーEvan!この日は奥さんと一緒にご来場。State Champsのツアーバスには2016年のWarped Tourの時に乗せて貰ったし、2017年に彼等が"Living Proof"というアルバムのレコーディング中にスタジオにお邪魔したりしてEvanとも当然親しくさせて貰っている。日本も一緒に2回ツアーしたし、State Champsのメンバー達とは非常に多くの思い出を共有しているのだ。特に2016年のラスベガスは忘れられない。ボーカルのDerekやギターのTylerの姿が見られなかったので「State Champs解散するの?」なんて冗談半分でからかったが、実は内心心配していたwどうやらDerekはその日既にフィーチャリングパフォーマンスの予定が元から入ってしまっており、Tylerは子育てが忙しく駆けつける事ができなかったそうだ。「まあ、でも俺は子供置いてでも来たけどな」と瞬間思ったのはここだけの話だw。



State Champsの盟友Neck DeepのWestも勿論参加だ。彼は前日まで「式用の服どうしよ〜?」なんて悩んでいたが、バッチリ決めて来た。と、いうか白いシャツにジャケット無しなんて男性が結構いたのだが、やはりLAのお土地柄だろうか。ドレスコードは「とびきりオシャレ!」だったので、セットアップスーツに真っ赤なサーマルインナーの僕もギリギリセーフということでよろしいだろうか?w
Westの隣にいるのはBeth!
彼女もState Champsのツアーフォトグラファーを経て、大手フェスティバルやアパレルブランドの撮影等も手掛けた後、今ではMegan Thee Stallionの専属フォトグラファーを務めている。Bethともアメリカ、日本両方で沢山の思い出がある。久々に会えて積もる話をする事ができた。



ガーデン中央は日本庭園さながら。高級そうな鯉もいた!実際、この様に色鮮やかな鯉はアメリカでもの凄く高値で取り引きされているとか!奥の木や池の周りの石の並べ方など、アメリカンガーデンの中にも「和」テイストがキラリ。



着席の合図がかかり、皆んな次々と席に座っていく。こういう時に1人で来ている僕はどこに座れば良いのか戸惑ったりもするのだが、折角来たのだから2人の姿がなるべく見やすい場所を選んだ。元TSSFのKelenが僕を見つけて隣に座ってくれた。「別にボッチだって良いし...」なんて心の中で強がっていても、やはり友人が隣にいるのはメンタル的にとても助かるというものだ。Kelenあざす! KelenのフィアンセRayaがいわゆる牧師の代わり的な役を担っているそうで、完全なるドキュメントを依頼されたそう。カメラ片手に気合いは十分だった。



さあ、Ryan側のGraham一家が登場した! Codyがベストマンを務める。Ryanはインスタのストーリーズを使ってまで血眼になって探していたホワイトのジャケットを無事見つけられた様だ。Ryanの家族はインスタやテレビ電話等でお目にかかったことはあったのだが、実際にお会いするのは初めて! 光栄です!



式中にパシャパシャ写真を撮るのはマナー違反なのかな? と結構遠慮した。実際あまり皆んな撮って無かったし(隣にいたKelenは彼女Rayaの司会進行の一部始終を残すべく、撮影に必死だったがw)これは「あなたはRyanを夫として生きていく事を誓いますか?」的なシーンであまりにも感動したので、ついついパシャリしてしまったワンシーンだ。もちろん、Ryanと向き合っているのが新婦のGabbyである。「めちゃくちゃ幸せで、もう泣きそう! というか泣いてる!」といった瞬間であろうか。



式も一通り終わり、ディナータイム!新郎、新婦が各席を回り始める! そしてRyanが我がテーブルへ。「んもぅー! 来てくれてありがとう!」とバンドメイトのEvanを後ろからハグ。そして「Shoほんと〜うに来てくれてありがとう! 未だに、Shoが目の前にいる事が信じられないよ!」この連載の最初にも書いた通り、出席する事には少しばかりの躊躇いがあったが、やはり来たのは正解だった。結婚式には幸福感と祝賀感しかないし、その主役が大親友ともなればハッピー度はマックス。幸せバイブスをお裾分けしてもらい過ぎたほどだった。



もちろん、僕もツーショットを撮って貰った!(撮ってくれたのはたしかBethだった気が)一張羅を着るとなると1番自分のテンションが爆上がりする格好をするのが正解なのだろうと考え、この日の為に買ったと言っても過言ではないSupremeのスーツ一択。しかし、「実はジャケット中に身につけるものがオシャレさんへの鍵だったりするのではないか?」という結論に至った僕はインスタで目にしたであろう、Supremeのスケーターの着こなしをまるパクリし、インナーにあえてのスケルトンサーマルで攻めてみた。このスタイルでもありなのが身内のアメリカンガーデンウェディングだ!最高!



2人の挨拶回りも終わり、食事も落ち着くとRyanとGabbyのファーストダンスタイムだ!おそらくRyanがPaulにリクエストしたのであろうと思われる曲で、2人が幸せをギュッと抱きしめる様にゆっくりと踊り始める。西洋の結婚式で1番大切なのがこのダンスタイム。日本の結婚式では全くお目にかかったことのないダンスタイム。そしてそう、僕は踊れないw



ファーストダンスが終わると来賓者達も加わり本格的なダンスタイムだ。皆んな中学生頃からダンスナイトだのプロムだので磨いてきたダンススキルをここぞとばかりに披露していく。日本の体育の授業にダンスが必修化されていなかった時代を恨む。でも、僕のロボットですら呆れる程のカチコチダンスも「ワザとやっている」と勘違いされたりすると案外ウケるのだw いかにも、「狙って敢えてヘタに踊ってます」感を出して乗り切った(つもりだ)。



さて、いよいよケーキタイム!キャンドルが灯され、ケーキが入刀を今か今かと待ちわびている。大量生クリームにチェリーが散りばめられたシンプルなケーキ。添えられた大きめのバラがお祝いムードを高めてくれる。



カットするとウェディングケーキの中身はレッドヴェルヴェットだったことが判明。パンケーキ等でもアメリカではど定番のこのレッドヴェルヴェット。でもさ、これって何味なわけ?結局この日も「甘い!」という感想以外に特に出なかったが、バラ色に染まったケーキの味の正体が気になって仕方がない。あれかな? スポンジに着色料染み込ませただけだったりしてwww

レッドヴェルヴェットの隣にはさらにシンプルなカットケーキが並んでいたが。これはレッドを苦手な人用なのか?レッドを一口食べた後、このカットケーキも食べてみた。確実に味は違う。しかし、やっぱりヴェルヴェットの正体は不明だw

「ファーストバイトはこれ位いけるよん!」

と言っているかどうかは定かでないRyanさん。



ケーキを食べたらお腹は一杯! 空も暗くなり始め、結婚式もクライマックス! 僕もRyanも大好きなThird Eye Blindの"Semi-Charmed Life"が流れると会場中が大熱狂!僕ももう、ダンスムーブなど一切気にせず、音楽に身を任せた。ダンスタイムもこの日1番の盛り上がりを見せ、式は幕を閉じた。「もう最高!」の一言しかない。大好きな友人達と我らがRyanとGabbyが家族となる儀式を見届けることができて感無量だ。来て良かった。さて、明日はフライトが早い。寝過ごしたら最悪なので、Ryanとまた8月に日本で会う事を約束し会場を後にしたのだった。



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