
Couch Surfing Club #21
西海岸ロードトリップ編
Happy Labor Day
Contributed by Yui Horiuchi
Trip / 2022.12.22
#21
9月5日はレーバーデイ。
アメリカは祝日。
学校も休み。
家の庭から時々見え隠れする子供の頭。
トランポリンの軋む音。

住宅街の歩道でおもちゃ道具一色を広げ、何やら作戦会議をしている。
庭の犬はこちらに気づき興奮して吠え立てる。
ガレージ整理をしていたお母さんが出てきて、苦笑いしながら「ごめんなさいね」と会釈する。
わたしも手綱を引き犬の注意をそらしながら、車道を横切り反対側の歩道に渡った。
風に乗って心地いい金属の擦れ合う音がする。

大きなU字を描く道路の曲がり角右手に、音の出どころを確認した。
風鈴のおかげで風の通り道が目に見えるようだった。
近くで少し立ち止まり、もう一度風が吹くのを待って先に進む。
"Happy Labor Day"の旗を掲げた家の玄関前では、ネオングリーンカラーの天然パーマの子がくるっとこちらを向いて目が合った。
ガリガリの猫背でエモさ全開のその子は無表情なのに、こちらに向けて手をあげて挨拶をしてくれた。
わたしも何も言わずに笑顔を作って平手を相手に向けて返事をする。
無表情でも最低限のグリーディングの仕草をしてくれたのが嬉しくて、少し心があたたかくなった。

気の早い家では、もうハロウィンのデコレーションを始めていた。
飾り付け中の家の人たちに声をかけ、写真を撮らせてもらった。
よく見たらガイコツが持ってるものが斧じゃなくて葉巻に見える。
もしかしたら、これでもまだまだ序盤といった感じかもしれない。

散歩終盤には読書のオファーまで。
祝日の過ごし方は皆さまざま。
散歩をしながら夕飯の献立を考えていた。
何かお祝い事に因んだ、めでたいメニューがいいな。
そうだ、海苔巻きにしようかな。
魚はないけど断面が華やかになるように工夫しよう。
家に着いたらまずお米を炊いて、特大のだし巻き卵を作ろう。
味噌汁の具は乾燥湯葉を戻してキッチンで育てている小ネギを散らして完成だ。
1時間ちょうど、献立も決まったところで家路に着いた。
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Yui Horiuchi
東京を拠点に活動するアーティスト。幼少期をワシントンD.C.で過ごし、現在は雑誌のイラストや大型作品まで幅広く手掛ける。2015年に発表した「FROM BEHIND」は代表作。自然の中にある女性の後ろ姿を水彩画で描いた。自然に存在する美や豊かな色彩を主題にする彼女の作品は海外でも評価されている。











































































































































