キリノマチデ

To Me, Somewhere in the World #133

キリノマチデ

Contributed by Yoko

Trip / 2024.06.12

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#133


久しぶりの道東。終わったものもあれば、始まったものもある。変わらないものも。それを体感してきた。運転しながら。


釧路の大通り、朝。


最近、運転か睡眠くらいでしか無意識にスマホやネットワークを遮断できる術がない。あとは映画館か。意識しないとスマホを手に取ってしまい、何かしらを検索してしまう。情報過多。まいる。

これほどまでに、こんなにも、何かと誰かと情報とつながる日々。つながらなければならない約束はどこにもないのに、なぜこんなふうになってしまったんだろう。いつから?もう思い出せない。


お城が消えた釧路駅。



コンビニにこんなコーナーが……。


運転中は思考くらいしかすることがないけれど、そんな状況、とっくにほとんど地上には存在しない。入院してさえもスマホは手元にある。もちろん体調次第だが。


摩周駅の足湯。雨。


駐車はいつまでも上達しないくせに(昔よりはだいぶましになった)、なぜこんなにも道東で運転するのは好きなのだろうと思ったときに、「思考くらいしかすることがないから」だと気づいた。いや、本当はスマホ画面越しのSNSのタイムラインで教えられた。




朝からpoppoteiの豚丼。


そんなことを考えながら、食事をするためだけに、雨の中、車を飛ばす。ほとんど道なり80kmくらいの道を。天気が悪くても、大地を体感する場所でするドライブは別格。北海道はドライブ天国だと思う。

ちなみに道東だと、個人的に、運転での片道2時間は1日の行動の許容範囲に昇格する。いつもならありえない。その不思議さ・愉快さ・面白さはじわじわくる。それでも今回は1時間が限度かなと、いつもよりも手前で引き返した。

行き帰りの道で、音楽をかけながら、いろんなことを考える時間や無心な瞬間は、土砂降りの雨が降る日の車中にも関係なく与えられ、ただひたすら噛み締めるだけだった。


久しぶりに夜もドライブ。


考え続けるより行動、迷っても進む、傷つくことを恐れない。どこかに置いてきてしまった三拍子の強さを取り戻しに行きたい。でもどこへ?自分の中も旅できたらいいのに。すっかり迷路。まったくもって。私はどこ?わからない。あなたは誰?あなたのこともわからない。わかりたい。

多分そんなことのために、生きている気がする日もあるけれど、まったくの見当違いかもしれない。ともかく皆、幸せでいたら良い。いや、そんな思考回路はショート寸前、ゆえに本日はこれにて。



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  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。