As I Like It #5
絶景は晴れの日に
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2023.05.15
#5
ある日の放課後、ユナから週末空いてる? とメッセージが届いた。かわいい絵文字付きで。
ユナはイギリスに来て最初にできた韓国人の友達だ。ユナはNetflixが大好きで、基本学校が終わってからも、週末も、家にいることが多いから、たまにお誘いがくるとつい、笑みが溢れる。
なぜ連絡がきたかと言うと“天気がよかったから”らしい。
どこにいこう? という話になって、少し考えたあと、2人ほぼ同時に「セブンシスターズ!」と言い合った。(こういうタイミングあるよね!(笑)
当日になってみると、本当に天気がよかった。
イギリスは基本曇りが多いから、こんなに一面青色の空を見るとどこか出かけないと、という気持ちになる。
私たちの住むブライトンから目的地のセブンシスターズまではバスで1時間ほど、そしてそこから歩いて30分ほどだ。
まずブライトンでユナと待ち合わせて、ランチを持っていくことにした。フィッシュ&チップスをテイクアウトして、そのままバスに乗り込んだ。冷めちゃうけど仕方ない。
1時間バスに揺られて降りたところはとても田舎で、周りを見渡しても牛や羊、そして牧草地しかない。
ここで降りるのはみんなセブンシスターズに行くに違いないという考えで、合っているか少し不安だったけど前の人について行くことにした。
学校の話や家の話をしているうちに、だんだんと開けて海が見えてきた。
贅沢な日向ぼっこ。
着いた途端、初めて目にする光景に圧倒された! 波打つ真っ白い断崖と緑のコントラストがとっても綺麗。
白色の壁は石灰岩らしい。この崖はこの部分だけではなくて、このドーバー海峡辺りにずっと長く続いている。
2人して盛り上がったあと、まあまあの距離を歩いた私たちはやっとご飯にありつけた。
フィッシュ&チップスとラップサンド。特にポテトが超ボリューミーだけどテイクアウトして大正解。
お腹ぺこぺこだったからか、いつもより余計にご飯が沁みた。冷めていたけどとってもおいしい!
そのあとはちょっと寝転んで休憩した。
ここは電波もないし、街灯も何もないから日が暮れる前に帰ることにした。
たぶん日が暮れたら間違いなくここで野宿になる。
帰りも道かどうかも分からないようなところを、ほぼ勘を頼りに行きと同じ道を探して帰った。牛のそばを通ったときはさすがにちょっと緊張したけれど。
無事にバス停について、帰りのバスでユナは最初から最後まで眠っていた。
いっぱい歩いたけれど、その分自然を体いっぱいに感じられた。
リフレッシュ!
やっぱり自然が大好きだな。また行こう。
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。