海までの道のり

Own Beautiful Adventure in Japan -Miyazaki- #9

海までの道のり

Contributed by Nachos

Trip / 2021.06.03

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ第7弾は、日本での旅の模様をお届けします!今回は宮崎篇です!

#9

しとしと雨が降っている朝。

ウエットスーツはもちろん乾いていない。笑



そのままやわらかい朝の空気感の中で、みんな思い思いの体勢で朝のメディテーションタイムが始まった。



シーンとする畳の部屋に優しい雨の音が響き渡って少しひんやりとした空気も感じる。
寝起きの頭がさらにすっきりとクリアになっていく気分。



メディテーションを終わらせた後は、みんなお待ちかねの朝ごはん。
今朝も華やかな雰囲気で美味しそうな料理がお出迎えしてくれていた。



朝からみんながっつり食べる系女子。
「でもさ、これ全てベジ料理だから安心だよね…!?」
都合がいい言い訳をしながらみんなで笑いながら、食べる食べる。笑



ご飯を食べ終わった後はリトリートに参加していたみんなの着なくなったお洋服を持ち寄ってトレード会が開かれていた。
これでリトリートのみんなとは最後の時間。
いろんな繋がりが広がっていった時間だった。


最近エコやサスティナブルという言葉をよく聞くけれど、ここでは普段の生活の中で何気なく自然に行われている。


そして午後からはちょうど予定が空いた3人で北の方へプチトリップすることになった。
「サンセットには間に合うかな?」と張り切って向かったけれど
渋滞に少しはまって、着いた頃にはもう真っ暗。笑

今宵はこの可愛い雰囲気の場所で一泊。




周りには何もなさそうなので、宿の人にお店を聞いて晩ご飯を食べに行くことに。

お店でもご飯を食べ終わり部屋に戻ってきてからもなんだか熱い話からめっちゃくだらない話をしてとりあえず笑いすぎたのは覚えている。笑



夜が明けてまた新しい1日の始まり。
友達が起きて外に出ていく音で目を覚ます。
どうやらビーチに朝日を見に行く様子。
私も眠たい目を擦りながら起き上がり、友達が入れておいてくれたハーブティーを少し飲んでビーチまで追いかけることにした。
昨日の夜は真っ暗で気がつかなかったけれど
宿を囲む木々の中に”ビーチ”と書かれている小さな看板がありその横に小道があった。

その中を進んでいく私。



途中の道にも看板が。
看板の奥の道を進んでいくとどんどん足元が悪くなっていく。
木にはたくさんのクモの巣。
落ちていた小枝を拾い蜘蛛の巣を避けながら海を目指して道を切り開いていく。

勘の良い方ならお気付きだろう。
そう、私は道を間違えている。

歩いていた道をそのまままっすぐ歩いて行けという矢印が書いてあるのに私は看板の奥の道に入り込み歩いていたのだ。

「迷ってる!」

絶対おかしいと何度も心の中で思いながら進み続けた結果、どんどん道がなくなり前に進むのが困難になったところでやっと気づいた。(いや、めちゃくちゃ気づくのが遅い!自分が憎い!)

「誰かいませんかー?」大声で何度か叫んでみるも残念ながら返事はない。

とりあえずなんとなくの記憶を頼りに「右だっけ?左だっけ?」と道を戻る。

ふと顔を上げると木々の向こうから朝日が見えた。



「誰かー!!!笑」

元の道に出れた時は少し涙が出た。

よく見ると(いや、よく見ないでもわかる)海までの道は普通に人が通れる一本道だった。

綺麗な朝日。



私が海にたどり着いた時には友達の姿はもうなかったので
少しビーチを散歩して宿に戻ると友達は爽やかな顔をして朝ごはんの準備をしている。

「今、ビーチまで行く途中森の中で迷っちゃったんだよ!」
「え、なんで?」
「わからない!」

「そんなことあるー??」と3人で大笑い。

あぁ、無事にこうして今日も笑いながら朝を迎えることができて本当によかった。


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