感動のソーセージの味

A Spell On You #3

感動のソーセージの味

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2024.02.27

フォトグラファー/ライターの上野文さんの新連載『A Spell On You』。2022年の秋に渡ったドイツ・フランクフルト、フランス・ニース&パリでの様子を、彼女の“トキメキ”が詰まった写真と共に綴ります。

#3


つむちゃん、フロちゃんに会いに行った、念願のドイツ、フランクフルト旅行記、つづき。

仕事終わりのフロちゃんと合流して、電車に乗って、クラキンマルクトハレという市場へ行った。ここは通称、フランクフルトの台所。精肉から野菜、惣菜、パニーニなど、ありとあらゆる美しい食品が並ぶ。中でも一際列をなしていたのが、ソーセージ屋さんのMetzgerei Schreiber。看板娘は、見た目年齢80歳くらいのおばあちゃんだ。ソーセージは計り売りで、両手の人差し指をつかって、"これくらい頂戴"とお願いする。あつあつのソーセージはマスタードがたっぷり添えられ、それと別に硬いパンと大きなピクルスももらった。


行列に並ぶ二人



この写真、おばあちゃんが3つも映っているのがわかる?


市場の外にある、ちょっとした開けた場所に座って、フランクフルトを食べた。そのプリップリなソーセージの感動は絶対に忘れられない。ほどよい塩気と、ハーブやスパイスで整った肉感、そして弾けんばかりの弾力、それはそれはびっくりするほど美味しかった。それに、焼かずにボイルしているのもわたし好みだ。


ソーセージと同じ大きさのピクルスも、ジューシーで酸味があってとても美味しい!


帰り道は、アイスクリームを食べながらおうちに帰ってちょっと休憩。日本から持ってきた煎茶とお餅でお茶をした。2人が昔道端で拾ったというそのカップは、本当に小さい。せっかちなわたしは一息で飲み終えてしまいそうになりながら、2人のマネをしてチビチビとゆっくりと飲んだ。


ただいま!





東京のお土産は、自転車で通るたびにずっと気になっていたお餅。


このカップに限らず、洋服でも家具でも食器でも、使わないものは外に出しておいて、また欲しい人がそれを持って帰る文化? がドイツにはあるらしい。さっきも道中で、落としたというより、そっと優しく、お供えみたいに置かれたあれこれを何度も見た。大きな机が転がっていることも、珍しくないそう。この家にある家具も、いくつかは街で拾ったんだって。

ソファーでゴロゴロしたあとは、ディナーの材料を買いにいくことに。フランクフルトは完全に冬だ。彼に借りていったCarharttのデトロイトジャケットだけではこの寒さは耐えられない気がする。


買い物リスト。


ドイツといえばビール! スーパーで壁一面並んだビールを見て、思わずテンションが上がった。つむちゃんとフロちゃんを探して、美味しいビールを教えて!と興奮気味に聞くと、2人はうーん、あんまり飲まないんだよね。だから、よく知らないと言った。

そっかー。わたしはお酒が大好きだけど、相手が呑まないとあまり進まない。今日は、さっき買ったApfelweinといういわゆるドイツのシードルがあるし、ビールはやめようかなと思ったけど、いや、せっかくだから! と思い直して、このビールに決めた。


レモンビール


つむちゃんたちの毎日は、ゆっくり丁寧で、生活にこだわりがつまっている。その生活音や、ドイツ語と日本語を混ぜて、歌うように話す2人の会話が、優しく聞こえてきて、とっても心地いい。2人のテンポをなるべく崩さないように、わたしは静かに静かに耳を研ぎ澄ませて、その空間を楽しんでいたい。




つづく!



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