月に始まり、月に終わる

Own Beautiful Adventure in Bali #6

月に始まり、月に終わる

Contributed by Nachos

Trip / 2019.12.05

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。彼女にとっての第二のふるさと、バリ島での日々の記録をお届けします。第6回は、「月に始まり、月に終わる」です。月、海、ビーチ、ライステラス(棚田)など、彼女が見てきたバリの美しい景色を一緒に楽しんでみてください。

#6

カメラの機材が入っている大きなリュックを背負い、私はビーチに立ちながら海を眺めていた。
暗い空にはまだまん丸なお月様が浮かび、キラキラ光る月明かりのおかげで海の様子が確認できる。
「てか、まだ夜じゃん…」と心の中の声。
…しばらく静かに海を眺める私たち。



東の空の色がだんだんと明るくなってくるのを確認して水の中に入る。
今朝は、「いつもの海だけど、いつもと違う海に入ってみようよ」と誘われて夜明け前からここの海に来た。

沖に出ると朝陽がゆっくりと上がり水面が輝き始めていて、右奥ではレギュラー(右)の波が割れ、その波が海の中にある岩に当たってグーフィー(左)の波が割れていた。
ここはいつも入っている海のすぐ真隣のポイント。私たち以外誰も入っていない。

海へのエントリー方法が違うだけで、少し横のピークは実は何度も入ったことがあるポイントだった。
ここもポイントだったなんて初めて知った!! ほんと自然って色々なものを創り出しちゃうからすごい!



刻々と空と海の中の色が変わっていくのが感じられる瞬間。
この後もどんどん空が明るくなり表情を変えていった海や空をみながら、
「今日も綺麗な朝日が見れて最高だね!」なんて話に花が咲く。



海から上がり、近くの気になっていたカフェへ。

ここのレモンリコッタパンケーキずっと食べてみたかった。
まずはアイスカフェラテを頼んで、パンケーキを楽しみに待つ。
でも隣の女の子が頼んでいたサラダも美味しそうだった。(つくづく食いしん坊なんだなと思う 笑)



期待通りのパンケーキをほおばりながら、PC作業をしゆったりブランチタイムを過ごした。

そして、午後からは「人が少ないビーチに行こう」と誘われていたので、いつもと違う北の道へとバイクを走らせた。

私がいるチャングーも自然が多く、のどかといえばのどかなんだけど、10分くらい走るとさらに豊かな風景がそこには広がっていった。



このバリニーズの人たちがいる風景になんだかほっこりする。

ライステラスの道を走り抜け、たどり着いた目的地のビーチ。
思った感じとは少し違ったけど、隣の海では考えられないくらい人がいなかった。



ここもうねりの向きで波が割れるみたい!
「今回もそういう時を狙って波乗りもしたい」と欲張りな私は、またも心がうずうずしだす (笑)

暑くて喉がカラカラになった私たちは、クラパ(フレッシュココナッツ)を買った。冷たくて甘いココナッツウォーターが体中に染み渡るのを感じながら、ごくごくと飲み干した。



そろそろ日が暮れるからと、ビーチを後にする私たち。

帰り道、サンセットがすごく綺麗で、思わず道路にバイクを止め、カメラを取り出しちゃった。

そしたら、さっきビーチにいた人もバイクを止めて写真を撮ってた。
みんな考える事は同じなんだね。

そして夜は、友達が「近所に友達がbrewerのお店をオープンさせたから行ってみようよ!」と誘ってくれたので、ウキウキ気分でお店へ向かう。



お店に着いて気づいたんだけど、ここのお店の前をよく通っていて、「ここはなんだろう」ってずっと思ってたお店だった。(笑)

中に入り、スタッフにビールの説明を受けて、テイスティングしながらビールを決める。
オーダーは、もちろんラージサイズ。
ラージでも1杯700円しないくらい。みんな浮き足立ってビールを注文してた。

レンガで作られたお店の中は奥に進むにあたり、周りのライステラスの景色が広がった開放的な空間。懐かしいヒップホップがBGMで流れるガーデンがある。
そこでみんなと乾杯し、トークが始まった。

楽しい会話の途中、ふと空を見上げると丸い月が浮かんでいた。



いつも通る度に「ここは何だろう?」と思っていた疑問が解けたし、美味しいビールも飲め足し、とてもよかった! 
満足して鼻歌まじりで帰路へとつく。

今日は、友達から様々なお誘いを受けた。
月を見ながら朝を迎えて、月を見ながらほろ酔いで夜が更けていった。

私の旅は無計画で、予定は真っ白だけど、友達や周りの人だちのおかげで、様々な色がついていくんだなとあらためて感じた旅だった。



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