True Feeling in Ireland #40

気づけば終わった異国での生活

Contributed by Hasebe

Trip / 2021.01.22

大学生のハセベさんが留学で過ごしたアイルランドの日々を記録した連載「True Feeling in Ireland」。あらゆることになぜを問いかけ、好奇心旺盛に活動する彼女が海外生活の中で、感じ、考えたことを日記形式で綴っていきます。

#40

家に帰るまでのバスの中が暇だから日記を書こうと思う。

ベルギーから帰ってきた翌日、もうわたしのアイルランド生活が10日しか残されていないことに気づく。学校は週末のst patrick's dayの話題ばかりで、せっかくアイルランドにいたのだからパレードを観に行けばよかったと旅行とバッティングしたことを悔やんだ。

旅行先では常に最終日にスーツケースを閉じるのに苦労しがちだが、今回ばかりは半年分の生活をパッキングしなければならないので、早めに荷物整理に着手。しばらく使ってないティントリップなど不要物を捨てたり、洋服は友達にあげたりした。日本から持ってきたけれど使わなかった泥パックはホストブラザーのDavidにプレゼントした。





旅行から帰ってきたHugoとSarah、ケイトと一緒にカツ丼を作った。わたしとケイトは日本人なのにまったくカツ丼のレシピを知らず、料理が得意なHugoに全部任せた。ソースなどの日本らしい調味料も当然売ってないので自作。レシピをググってオリジナルでやってみた。最後は「Hugo Boss」とおだててほとんど遊んでいた能無し3人。味も見た目もかなり良くて、Hugo先生を称えた。先生は誇らしげな表情をしていた。







またもや海にきた。もうこれでアイルランドの海岸は見るのが最後だからと無理を言って連れてきてもらった。Davidは着くなり寒いし特に面白いこともないからさっさと帰ろうとしていて、わたしは食い止めるのに必死だった。



KyとGeorgetteに送別会として「MAD EGG」という比較的新しくできたハンバーガー屋さんに連れてきてもらった。2人も初めてだったらしく、チキンカツのバーガーにテンションが上がっていた。Kyは来年には英語教師として日本にやってくるプログラムに応募予定で、Georgetteはアジアのどこかで英語教師を何年かやるという話をしていたので、なんとなくまた会えそうで全然寂しさはなかった。この2人と話していると絶対恋バナになるのは今回も同じ。

以前Kyと話していた時、Northern Irelandに行ったことがない話をしたら、じゃあ連れてくよとサクッと1dayトリップを予約してくれて、アイルランド滞在最終週に行くことになった。お目当てはGiant's Causewayとタイタニックミュージアム。前者は留学生でも既に行っている人が結構いて、やっぱり岩の形が面白そうなので行きたいと希望。後者は最近やっと映画『タイタニック』を観て、その余韻が結構すごいので希望。どちらもKyが快諾してくれた。タイタニックミュージアムは結構最近できたらしく、建物がとても綺麗で、アトラクションもあった。



ジャイアントコーズウェイのほうは、雨は降らなかったもののいつも通りの曇天に加えて、海沿いなので風がかなり強く、2人で半ば闘いながらぐるっと回った。有名な六角形の岩が転がっているエリアでは奇跡的に晴れ間が見えた。自然が綺麗な六角形を作り出したというのだからすごいもんだ。





アイルランド最終日はとにかくバタバタしていた。案の定パッキングは余裕を持って終わらず、スーツケースは午前3時にやっと閉まるに至った。昼はみんなにお別れを言うために大学に向かった。流行りのロールアイスが無料でもらえる列にSarahと代わりばんこに並んだ。なんで無料かは突如告知されたギネス世界記録への挑戦が理由。アイスクリームショップが24時間でロールアイスを世界で最も多く作る挑戦をするために、UCDの大学生がお客として借り出されたというわけだ。合計2時間ぐらい並んでやっと手に入れた無料アイス。無料に惹かれやすいわたしだけれど、今日ばかりは2時間も無駄にした選択は間違っていたと思う。Sarahとは一緒にアイスを食べてサヨナラをした。わたしのアイルランド生活を楽しくしてくれた最高の友達だった。あれこれ個人的な相談に乗ってもらうほど信頼していたから、本当に別れは寂しかった。



Enseoともお別れをした。彼女とは先日やめたわたしのバイト先で会った。バイト先のみんなにも挨拶した。彼女は来期もアイルランドにいるらしい。本当にクールでおしゃれで落ち着いていてひたすら憧れだった。帰国後も連絡を取り続けていたいそんな1人。

夕方やっと家に帰ってきてからは、Davidがちゃんとしたご飯に連れて行くと意気込んでいて、最後の晩餐にステーキを食べに行った。ダブリンでこんなレストランがあるのかっていうほどファンシーでびっくりした。その日もお酒をいっぱい飲んで帰った。次の日は出発。



車で空港まで送ってくれるはずだったのに、Davidは案の定二日酔いで全然起きる気配がなかった。ホストファミリーのみんなに別れを告げたところで起きてきて、バス停まで荷物を運んでくれた。ここで1人バスに乗って見慣れた道を進んでいく。意識せずともいろんなことが思い出される。バイト帰りにバス停で何十分も待ったこと。Davidといつも行っていたカフェへの道のり。ジャパソのみんなで食べたお寿司。もうアイルランドに来るなんてそうそうできないことだろうと思うと寂しくて1人で泣いた。



そこからはずっと悲しいというか空っぽで、日本に帰ってきて1週間くらい今まで通りの生活を送っていることに違和感があった。帰ってくるなりサークルの新歓が始まり、慌ただしい生活が始まる。アイルランドにいた時とは比べ物にならないくらい忙しなく時間が過ぎて、漠然とした空虚さもすぐになくなってしまった。

そんな感覚も、そしてそれがなくなったことに対する違和感すらも溶け切って、完全に日本の生活に戻った今でも、アイルランドでのみんなとのあれこれはいつでも懐かしさが湧き上がる素敵な思い出だ。

わたしのアイルランド生活に関するお話は以上です。

今まで読んでくださった皆さま、他愛もない日記のような記事でしたが、最後まで続けさせていただきありがとうございました!


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