なんでここに?

Own Beautiful Adventure in Mexico #61

なんでここに?

Contributed by Nachos

Trip / 2023.02.16

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ第8弾は、メキシコでの旅の模様をお届けします!

#61


上を見るとこの景色。



そう、私はメキシコの小さな町の病院で点滴を打っている。
前回の記事では
アサイーボウルを食べ終わり、少し元気になったかなぁ?と思ったのも束の間
宿に戻るといよいよ寒気がおそってきた。でも体はほてっている。
エアコンを消してもなんだか寒い…

もしかして熱があるのかも?コロナ?でも少し前に検査もして陰性だったし…と頭の中でいろんな思いがぐるぐる駆け巡る。

水を飲んでも飲んでも喉が渇く。
あれ?もしかして私熱中症にかかってる?とそんなことが頭によぎった。
去年、熱中症になって病院に運ばれたことを思い出したのだ。

ふらふらする中、急いでクールダウンを…と思い冷蔵庫にある冷たいものをひたすら体にあてる。
買いだめしてあったコロナの缶がこんなところで大活躍するとは思いもしなかった。笑


…どれくらい寝てたのだろう。喉が渇いて目が覚めた。
体は少し楽になった気がするけど、異常な喉の乾き。

そこでGoogleで熱中症対策を調べると、水ではなく、ポカリスウェットなどの飲み物を飲まないと意味がないと書いてあった。

意識が朦朧とする中、誰に助けを求めていいかわからず、唯一の友達も仕事中で既読にならない。
何時だろう?外が暗いから夜の8時過ぎくらい?

その時に友達から連絡が来た。

事情を話すとすぐ駆けつけてくれて
この小さな町にはポカリスウェットなどのスポーツドリンクは売っていないから似ているものを買って来たよ。
と奇跡のドリンクを買ってきてくれた。

「本当にありがとう。これ飲んでゆっくり寝てみるね。」

「また何かあったらまた連絡ちょうだい」



点滴の針を見つめながら長かった昨夜のことを思い浮かべる。

友達が帰った後からがまた長い長い夜の始まりだった。

ドンドン、ドンドンッ 隣から音楽が聞こえ始めた。
そして次々に聞こえてくる人の声

なんと隣の建物では新しくカフェバーがオープンしたらしくパーティーがはじまったのであった、、、、(そんなまさかな!)

そう、私の宿はテント。防音も何もない。笑
他に泊まっていた宿泊者も何事かとざわざわしだした。
宿のオーナーも現れ、みんなに謝罪をしながら耳栓を配っている。
私はもうそれどころじゃない
結局音が止まったのは夜中の1時過ぎ。
四つ打ちの音がこんなにも悪魔の叫びの音に聞こえる経験は一生に一度だろうな。


次の日の朝、ここを出ていく決意をした。


そのタイミングでショートトリップに出かけていたメキシコと日本のハーフの友達が戻ってきた連絡があり、車で迎えにきてくれ彼女が住む隣の町のホテルに移動することになった。

幸いほとんど荷物も開けていなかったのでパッキング作業はなく、そのまま荷物を運んでもらい移動し、町の病院に連れてきてもらった。
というお話。(細かいこと言うともっといろんな出来事があった 笑)



話は戻り、点滴は30分くらいで終わると言っていたのに1時間以上かかり途中窓の外をみると雨が降り始め部屋の中まで雨が吹き込んできた。
どおりで寒いわけだ。

看護師さんにトイレへ行きたいと言うと、窓の外を指さされトイレは外にあるよ。と言われた。トイレまでの道にはもちろん屋根はない。
どこまで過酷なんだよ。ここは。でもこんなことでは動じない。
行ってやろうじゃないか、点滴つけながら雨の中を。



でもそんな過酷なことさえも友達がいるってことだけで力強くなれる。

飲み物を買ってきてくれた友達、病院の手続きをしてくれ終わるまで待っててくれた友達には感謝しかない…涙

ちなみに検査もしたけれどコロナとかではなく、熱中症と脱水症状が合わさったものでした。


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