Fernweh

Alles Gute #20

Fernweh

Contributed by meg

Trip / 2024.12.09

悩み事が尽きない日々をリスタートするため選んだ街は、ドイツ・ケルン。自分でもまだ分からない「何か」を求めて、ときめく音の鳴る方へ進もう。「もうワクワクすることしかしたくない!」と心に決めたmegさんが綴るドイツ留学日記。

#20


Fernweh‥ 遠くに行きたいと思って苦しくなる気持ち



“Fernweh”この言葉を知った時、まさに自分が日本にいたときの気持ちを表してくれていると思って、一人嬉しくなったのを覚えている。日本ではいつもここではないどこかを探して苦しんでいたのに、ドイツではこの苦しみをみんなが普遍的な感情として共有していた。

今いる場所からどこか遠くに行きたい。

目的もなく旅をすることが否定的にとられやすいのは、なぜだろう?
自分以外からは分からないような変化だとしても、旅は必ず何かを変えてくれると思う。

3月の末に帰国し、既に11月の終わり。年末になろうとしている。
日本に帰ったらゆっくりしたいと思っていたのに、全く期待していなかった仕事がすぐに決まってしまい、引っ越し、おじいちゃんとのお別れ、訳もわからず気づけば半年もの歳月が過ぎていた。

忙しない日々の中でも、たまにドイツでのあたたかい時間を思い出す。

近所にある緑の多い公園の朝の空気
街を歩くと聞こえる多国語の会話
昼間の広場ののんびりした時間の流れ
クリスマスに過ごした友達の部屋のストーブの暖かさ



日本に帰ってきて、また違う“Fernweh”を経験している。
2度目の“Fernweh”は、行きたい場所、会いたい人が待っている苦しみだ。
ここ以外に帰る場所があると思い出すだけで、心がほっとする。

先日Tiagoと電話をしたら、ブラジルに帰った時に買った日本語の本を見せてくれた。武士が書かれた表紙のやつ。
仕事は変わりなく、彼にはeasyすぎてつまらないらしい。
そしていつも通り、「いつドイツに戻ってくるんだー?」と聞いてくれた。



「すぐには行けないけど、また行きたいと思っているよ!」
今はそんな返事しかできないけど、連絡を半年に一度しかとらなくても仲のいい友達とはずっと仲良しだ。

しばらくは日本にいたいけど、それでも私の心は日本とドイツのどちらにもある。



いつでも帰りたい時に帰ればいい。



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