Mamma mia! #30

引っ越しとコインランドリーとグレゴリオ

Contributed by Aco Hirai

Trip / oct.20.2020

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。フィレンツェでの生活もあっという間に1ヵ月が過ぎ、2ヵ月間住む予定だった家をまさか1ヵ月で引っ越すことになるとは……。

#30


前の家の窓から見える景色。

今週、また家を引っ越した。
イタリアに来てから住む家を変えるのは、これで5回目(笑)。


アパートメントの内見後、GREGORIOとバールでビール。

そして、彼の名前はGREGORIO。
サラサラのブルネットヘアに左腕のタトゥーがチャームポイント、でも言っておこう。幼い頃に始めたドラムをきっかけに、今はバンド活動や作曲をしているそう。

今日は、彼との出会いと引っ越しの話。

前にも書いたけど、引っ越す前の家には洗濯機がなかった。
なので、週一で1Fにあるコインランドリーに通うというかなり面倒なことをやっていた。
エッセルンガというスーパーのエコバッグに1週間分の洗濯物を詰め込み、階段をかけ降り、アパートメントから出たらすぐにコインランドリーだ。

そして、コインランドリーのシステム。
洗剤は自動で投入されるので、洗濯物を洗濯機に入れボタンを押すだけ。
1回の洗濯に€3、乾燥機に移し替えてさらに€3。
でも、ランドリー専用のカードを作れば20%ディスカウントしてくれるので、2ヵ月使用する私としてはカードを作りたかった。
でも、コインランドリーの隅々まで探してもカードを売っているような機械はなく、ホームページを覗いてもカードについての情報がどこにも見当たらないので、諦めてコインで支払い、洗濯が終わるのを待っていた。

ご存知の通り、コインランドリーには入れ替わり立ち替わり、色々な人がやって来る。
イタリアでも一緒。

布団など大きなものを洗濯したい人、私のように家に洗濯機がない人、洗濯を急いでいる人、そんな人がいっぱい。

数分後、コインランドリーを使いに来た数人のうち、一人がお目当てのカードを持っていたのだ。

待っていました! と言わんばかりに私はとっさにその人に声をかけた。
「そのカードどこで買ったの? 私も買いたいんだけど」
「ここを管理している体の大きなおじさんがたまに来るから、その人から買うしかないんだ」
「そのおじさんはいつ来るの?」
「いつ来るんだろう? 気まぐれだから知らないんだ」
「えっ?」
「偶然会えたらラッキーだね(笑)」
「ハハハ、そうだね、会えたらラッキーだね」
「ハハハ」

そんな感じの会話だった。

そう、彼こそGREGORIO。
彼との出会いは、コインランドリーだった。

その後、このシステムがイタリアっぽくて面白かったので、カードをきっかけにお互いの洗濯が終わるまでいろんな話をすることになった。
億劫だった30分もこれなら悪くない。

そして、私に引っ越しのきっかけをくれたのは、紛れもなく彼。
彼は近くでアパートメントを貸していて、その日は急ぎの洗濯があってコインランドリーへ来ていたのだ。
そんな会話の流れから、彼が「もしよかったらうちのアパートメントを貸すよ」と言ってくれた。

そして後日、アパートメントの内見の約束をし、引っ越しを決めた。


狭かったけど、キレイで快適だったお家。


新居の玄関。前の家より古いけど、だいぶ広くなった。もちろん洗濯機付き。

ちなみに、イタリアのコインランドリーは出会いの宝庫。
みんながCiao! という挨拶とともにやって来て、
「どこ出身?」
「いつイタリアに来たの?」
「イタリアで何をしてるの?」
こんな具合の日常会話が飛び交うので、洗濯をしながらイタリア語の特訓もできる(笑)。
そう、陽気ランドリーだ。

とはいえ、私はやっぱりコインランドリーより家で洗濯がしたい。

では、今日はここまで。

また来週。


クラスメイトのBENに誘われて行った、ハワイアンPOKEのお店。緑色したお米にビックリ!(笑)


ミケランジェロやガリレオが眠る世界最大のフランシスコ会の教会「サンタ・クローチェ教会」。


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