Que Será, Será #8
しあわせのpot luckとscream
Contributed by Sara
Trip / 2023.12.19
バックパッカー、1人旅、そして留学。現地に足を運んだからこそ見えてきた、それぞれの国でのそれぞれの暮らしかた。「なるようになる!」をモットーに旅をし続ける大学生saraさんの、「旅の記憶」をシェア。
#8
10月の初め、私が住むウプサラでは初雪が降った。積もるほどではなかったけど、地面にはうっすらと白い層が見えた。
前を歩く人は慌ててフードを被っていた
寮の窓からの景色
そんな寒くて暗いスウェーデンの冬が始まった頃、国際寮のコリドーメイトとpot luckをすることになった。“pot luck”を日本語にすると「持ち合わせの料理」と出てくる。言葉通りそれぞれが作った料理やスイーツを持ち寄ってみんなでごはんを食べる時間のこと。同じフロアの合計15人で開催した! 大勢でごはんを持ち寄るなんて、高校の体育祭みたい。
準備中
私は手毬寿司を用意した。見た目も味も好評で嬉しかった! 実は手毬寿司を作るのは初めてで、pinterestからインスピレーションをもらったこと、みんなには秘密。
フランスの子はクロックムッシュ、イギリスの子はパイ料理やアップルクランブル。みんなの家庭料理がわかって嬉しかった。でもその一方で、別のイギリスの子は生春巻き(パクチー入り!)を作っていたり、韓国の子はスウェーデンでよくみるソーセージを用意していたり、みんなの好みが垣間見える瞬間も面白かった。
豪華すぎるプレート
私はこの日の午後にもコリドーメイトたちとお菓子作りをしていた。スウェーデン伝統のチョコレートボールとフランスの子が見つけてくれたレシピでレモンパイを作った。もちろんそれはみんなにもお裾分け。
レモンクリームを生地に流し込むところ
デザートたちもとっても豪華
みんな口を揃えてbestとかbeautifulest,sweetestって最上級をつけて今夜の喜びを共有しあった。ほんとうに幸せな時間だったな。
19時に始まったpot luckも気付けばもう22時前。“time to scream!” と誰かの一声で、私たちは慌てて窓の近くに向かった。実は、この寮では毎日22時に窓を開けて叫ぶ文化があるのだ! 試験や課題に追われる日頃の鬱憤を晴らすために始まったらしい。一見奇妙すぎる習わしだけど、それが長年受け継がれている。
窓から叫ぶみんな
あー! きゃー! と声を出したり、誰かの誕生日にはhappy birthday! と聞こえてきたり。今日はみんなで叫ぶにはもってこいの日。リビングの横にある部屋からみんなで叫んだ! いままででいちばんのscreamだったはず。
スウェーデン生活が始まって早2ヶ月。確実にここが私にとっても、みんなにとっても自分たちの居場所になっていることを実感する日々。おいしいごはんも、授業の疲れも、日々の嬉しいことも、たくさんのことをシェアできている。日本で暮らす家族や友達以外にも、「おかえり」と言ってくれる場所が増えた。心から幸せなこと。
スウェーデンフラッグは欠かせないよね
22時のscreamをしながら、みんなとの日々をもっと大切にしようと誓った夜だった。
またね!
アーカイブはこちらから
Tag
Writer
-
Sara
東京で暮らす21歳の大学生。バックパッカー、1人旅、スウェーデン留学…どんな場所にいても「なるようになる!」と信じて強くてハッピーな気持ちで旅を続けている。旅雑誌の編集経験もあり、一眼レフやフィルムカメラも大好き。異国のごはんを食べることも大好き。