Couch Surfing Club #35
西海岸ロードトリップ編
Carrot Cookie?
Contributed by Yui Horiuchi
Trip / 2023.03.30
#35
今朝の朝食は早起きしてLos Bagelsでと決めていた。
フンボルト郡でチェーンを展開するベーグル屋さん。
ここしばらくの間、何度も店の前を通り過ぎては営業時間に間に合わずクローズドのサインをみて肩を落としながらも、今度絶対朝食を食べに来る、そう誓っていた。
ようやく念願が叶い、何を食べるかも心に決めて店内に入店する。
コーヒーの匂いと焼きたてのベーグルの匂いで店内が充満している。
嗅覚の刺激で指先まで全神経が目覚める感じ。
キッチンに陳列されたベーグルからMulti Grainを選んだ。
トッピングはケイパー、フィリングはメニューにあるIZZY’S GUAC’N LOX。
ワカモレとスモークサーモン、クリームチーズのベーグルだ。
注文をしてから店内の受け取りカウンターで名前を呼ばれるまで待つ。
「Hey! コーヒー用のカップを忘れてますよ!」
レジで対応してくれたお姉さんが両手にカップを一つずつ持ってこちらに向かってきた。
「あぁ!ありがとう!」
まだ寝ぼけていたんだろう。
コーヒースタンドで深煎りのコーヒーを選びカップに注いだ。
ミルクはハーフ&ハーフかオーツミルクを選べる。
オーツミルクをコーヒーに足してカップの蓋をしてからしばらくして、店内の奥から小さな声で友人の名前が聞こえた。
オーダーが出来上がったようだ。
受け取りと同時に心躍る。
ニューヨークのZabar’s を思い出した。
一食で二食分あるオープンサンドを半分だけその場で食べて残り半分は持ち帰る事にする。
残ったコーヒーを片手に沼地の近くを少し散歩してから帰ることにした。
「今日は一日何するの?」
「一日中忙しいよ、ずっとベイキングする予定だよ」
「何作るの?」
「キャロットケーキとバナナブレッドとチョコレートチャンククッキーとラビオリと茄子のラザニア!」
言葉通り家に帰ってからはキャロットケーキに使うにんじんの繊維を取り出すために手っ取り早くスロージューサーで液体と繊維に分けていく。
総量おおよそ4kgのにんじんを下ろし、生搾りのにんじんジュースを飲めるように準備をする。
強すぎる個性的な味を中和させるのに青林檎、セロリ、レモン、ピーチ、ほうれん草もジューサーとミキサーにかけてフレッシュジュースを作った。
キャロットケーキ7つ
バナナケーキ1つ
チョコチップクッキー32枚
ナスとラビオリのラザニア4皿
大きなオーブンを大活用して一日のエネルギーを全てつぎ込んだ。
キャロットケーキはカカオニブとヘンプシード入り。
隠し味はジンジャーパウダー。
友人曰く
「YUIのキャロットケーキはスタバのパンプキンブレッドの味がするんだよね、あとキャロットケーキをチョコチップクッキーと一緒に食べると美味しい!」
「そういえばキャロットクッキーってないね、今度作ってみようか」
友人の味覚が正常に戻ったかどうか後日要検証であった。
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Yui Horiuchi
東京を拠点に活動するアーティスト。幼少期をワシントンD.C.で過ごし、現在は雑誌のイラストや大型作品まで幅広く手掛ける。2015年に発表した「FROM BEHIND」は代表作。自然の中にある女性の後ろ姿を水彩画で描いた。自然に存在する美や豊かな色彩を主題にする彼女の作品は海外でも評価されている。