全てがちっぽけなことに思える、北海道にいると

To Me, Somewhere in the World #99

全てがちっぽけなことに思える、北海道にいると

Contributed by Yoko

Trip / 2023.10.11

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#99


北海道で中五日の暇があったので、どこに行こうか散々悩んだ結果(ソウル?台北?福岡?那覇?函館?道東?)……、いつもの道東へ。


プユニ岬。


それでも今回は2年ぶりの知床・ウトロからスタート。電車から離れた土地、かつ道東の中でも一番北なのでなかなか行きづらいのだ。いつも釧路に行っているということもある(道東の中では南)。今回は札幌からの夜行バスを利用した。ついでに知床の中の移動手段も(定期観光)バスで。結局、荒天などもあって観光船が出ていなかったため、観光地は渋滞ばかり。車にするか悩んだけれどバスで大正解だった。


ウトロバスターミナル。


とりあえず誰もいない朝の待合室で一人ストレッチをする。ある程度体が柔らかいとベンチ一つあればいろいろ動けるので便利。監視カメラがついていたらかなり変な人だよなと、いつも一通り動いてから思う。


岩の前にソーラーパネル。



道の駅 うとろ・シリエトク。


待合室で2時間くらい暇を潰させてもらい、朝日がのぼって気温が上がってからウトロの街へ。チェックしていた朝ごはんの食堂は行列だったので早々に諦め(寒いのに並ぶなんて無理)、資料館や道の駅を散策する。すでに待っている人がぼちぼちいたからか、本来の開店の少し前から開けてくれた。優しい。


定期観光バスが可愛かった。


バスターミナルへ引き返し、カフェで少しだけ時間を過ごしてから、いざ定期観光へ。プユニ岬を横目に見て、知床峠で強風を浴びたら、今回の目的地・知床自然センターへ。知り合いのキッチンカーやその他行ってみたかったお店が集まっているイベントがあると直前に知り、知床に行くことを決めたのだった。




いつか行きたいピリカデリック。


その前に全員参加マストだというシアターでの映像鑑賞。これがまあ意外とすごくよかった。ミニシアターばりの大きなスクリーンに、語りほぼなしで知床の映像が春夏秋冬分すべて流れた。20分ほどの映像だったが、かわるがわる出てくる動物の息遣いを追っていたら、あっという間にエンドロールでびっくり。




いつもの美味しいコミンカレー。


その後、目当てのイベントへ。今回も「来ちゃった〜」と追っかけばりにカレーを食べて、やっぱりすぐに気づいてもらえて嬉しくなってしまった。カレーは美味しいし、天気は良いし、来てよかった。先月ぶりよ。




知床五湖。


知床自然センターを出たら、知床五湖へ。4回目くらいの訪問だが、ここは特別好きな場所である。山の上の方に雲がかかっていたけれど、本当に、やっぱりいつ来ても最高。行くまでの道も、着いた先も、帰り道も。どの場面を切り取っても「良い」があふれているので、いつもシャッターを切りまくる羽目になる。

でも、その道を形作っている足高の部分には、クマが近寄らないようにするための電気柵があって。人間が住むために切り開いたと言えど、お邪魔しているんだよな、と思うと少しだけ複雑な気持ちになる。最近は本当にクマの出没が多いらしい。




おしゃれすぎて逆に気になる知床斜里。


知床斜里駅までの帰りは、オシンコシンの滝や天に続く道を経由して。どこまでも続く海岸線、圧倒的な一本道。目を移せど、場所を移せど、圧倒的な景色が広がる北海道。住んでいた時は実感することはなかったけれど、観光で体感していると、本当に全ての事象がちっぽけなことに感じるから不思議だ。

今は「長野から来た」というと「長野も自然が多いでしょう」と言われることも多い。そう、そうなのだけれど。でもやっぱり断然、北海道が好き。どんなネガティブも小さなことに感じられる、この土地が特別に。


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  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。