パッケリに恋をして

Mamma mia! #110

パッケリに恋をして

Contributed by Aco Hirai

Trip / 2022.05.31

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。好きなサラミはパンチェッタピカンテ、好きなパスタはパッケリ、それから好きなピザは……。今回は、日に日にイタリアナイズされていく私のパスタ事情をお届け。

#110

イタリアと言えば、やっぱりPASTA。

と言うことで、イタリアに来てからというものパスタを食べる機会が急激に増えたことは言うまでもないんだけど、そんな私のパスタライフの中で、一番の変化と悦びは、自分好みのパスタが見つかったこと。

こんな風に日に日にイタリアナイズされていく私。
そんな影響を受けやすい自分のことも好きなんだけど(笑)。
歳を重ねることは経験が増えることで、経験が増えると知恵が付くから凝り固まったものが出来上がって、例えば挑戦することだったり、新しいものへの好奇心が薄れたりする。だからフレッシュな心で色々なものに感化されたり、影響を受けたりすることって人生を彩る上でとっても大切なことだと思う。
どんな小さなことでも……

そして、そんなイタリアナイズされつつある私のお気に入りパスタが、このパッケリ(PACCHERI)。
じゃ〜ん!!

こんなに可愛い響きなのに、平手打ち「pacca」が名前の由来だとか。



この「PACCHERI」っていう響きもなんだか可愛くて好き。
もちろん、「タリアテッレにはソースがよく絡むクリーム系がいい!」のように相性の良いパスタはあるけど、論理的なことではなく、感覚的に「私好みのパスタ」ってやつに出会えたのだ。

去年、南イタリアへ行ったときに出会ったパスタで、それまでは見たこともなかったし、私の住んでいるエリアの行きつけのスーパーにも置いてなかったのだ。後になって分かったことは、このパスタはナポリ(カンパーニャ州)生まれで、普通のスーパー(特に北イタリア)で取り扱っている確率は低く、EATALYのようなちょっと特殊? なパスタコーナーにしか売っていなかったのだ。
しかも、通常パスタの3倍の値段で。

EATALYで見つけたPACCHERI。同じパスタなのになぜこんなに高いのかは謎。でも早速試したいのでお買い上げ。



初めはもっちりした食感に「おぉー!」と感動して、その後、大きな筒状の中にソースや具材が流れ込んでくるから食べている間ずぅ〜と幸福感に満たされる、それがこのパッケリの第一印象。そして、この筒状の中に具材を詰めたり、パスタを立てて盛り付けたり、シェフの創作意欲を刺激する粋なパスタなのだ。
日本にも売っているようなのでパスタ好きならぜひ味わってほしい。

そのパッケリをオリーブ入りのトマトソースと絡めて。



これはトラットリアで見つけたパッケリ。見つけたからには試してみたくて即効オーダー。魚介と相性が良いみたい。



これもレストランでオーダーしたトマトソースとバッファローチーズのパッケリ。気になってやっぱりオーダーしてしまう。



パッケリに出会ったことがきっかけではないんだけど、最近色んなパスタを作るようになった。
きっと今、人生で一番パスタづいてる時期なんだろう(笑)。

友達のお家で作ったカルボナーラ。これはスタンダードな太めのスパゲティ。



これはFave(ファーヴェ)と言うイタリアのそら豆とグアンチャーレを入れたフジッリ(パスタ)。そら豆は今が旬らしい。そら豆とパスタ、これが意外とイケる!



やったー!!!大量にバジルを頂いた日。



そんな日はシンプルなトマトソースにバジルを添えて。



シチリア生まれのカサレッチェ(パスタ)のボロネーゼ。




アーカイブはこちら

Tag

Writer