ハリケーンの追撃

Beginning of my new Life #11

ハリケーンの追撃

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2023.12.27

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

今回からは番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け。



学校が始まってまだ間もない頃、記録的なハリケーンが私の住んでいたノースカロライナを襲った。
日本では台風が来るが、どうやらアメリカにはハリケーンが来るらしい。おかげで学校は数日休みになった。しかし私のホストファミリーは私が退屈しないようにと常にやることのアイデアを出してくれたため、休みも楽しめた。大雨強風の中車を出してくれて、ボーリングやショッピングモールへ。アメリカでは基本的に車移動のため、天候に左右されることがあまりない。

家の車庫から車に乗り、目的地の駐車場に行く。このように外を歩かずに外に出かけることができるのだ。普段は「もっと歩きたい!」「外の天気を楽しみたい!」と思うことも多かったが、こういう時は車社会が得である。

アメリカで初めてのボーリング。日本のボーリング場とは少し雰囲気が異なっていて、暗闇の中に光るネオンライトがおしゃれな空間を作り出す。そんな中私はボーリングを半年間だけ習っていた経験から、ホストファザーとスコアを競い合うことができていた。幼い頃の私は喧嘩で勝てない6つ上の兄に敵対心を持っていたため、少しでも何かで勝ちたいという思いからボーリングをはじめたのだ。そして半年後には兄よりハイスコアを出せる実力になってやめたというところだった。その結果として、今でもボーリングへ誰かと行くときには中々楽しむことができ、人生無駄なことなんてないなと感じさせられる。



帰り道にはお買い物。HOBBY LOBBYという手芸道具屋さんがアメリカでの私のお気に入りのお店となった。店内はアメリカンサイズでとても広く、沢山のリボンや家具やインテリアなど私の楽しみがいっぱい詰まっている。手芸道具がたくさん売っているため何かこの休みの間に退屈しないように買って作ろうとホストマザーが連れてきてくれたのだ。結果どれも面白そうで決められず、ホストマザーのおすすめするものを買った。



家に帰れば早速編み物をホストマザーから教わる。不器用で見栄えはイマイチだけどなかなか楽しい。お次に木の板に釘を刺してその釘に糸をかけて絵を作るアート。それも初めての経験で楽しかった。日本にいるときはこういう自分の好きなことにかける時間が作る機会がなかったため、その大切さも学んだ。アメリカでは各々自分の好きなことを知っていて、空き時間はそれをひたすらにやる。そこから個性が生まれて、それぞれの良さも引き出されている気がした。



私のホストマザーは絶品カップケーキにとっても可愛いデコレーションをしていたり、仲良い友達は韓国語を勉強していたり、アニメが大好きな子はひたすらアニメを見て作品上で使われている言葉の意味を私に尋ねてきたりなど……。自分の好きな事を知っている彼らは強いと思った。好きでもないことで頑張れる人はきっとどこにもいない。好きな事を知っているからこそ、やりたいことができて、目標ができる。日本の教育システムの中で私はそのようなことを考えられたことがなかった。



他国の人と触れ合い、人間性を感じ、社会のあり方を学ぶ。こうして私は他の国に住むことの面白さを覚えた。

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